最小限の道具でガンプラ!中学生のおこづかいで調達する工具

1.はじめに

プラモデルに自分で色を塗って完成させてみたい…!と思ったことはあるでしょうか?
プラモの中でも、特にパーツ段階で色分けがされた近年のガンプラは、ただ組み立てるだけ(素組み)でもアニメのイメージに近いカラフルな仕上がりになります。
そんな時代にあえて塗装をする意味とは何か…!?
まずは次の画像を見て下さい…

ザク
バンダイ HGUC No.040 MS-06 量産型ザク。素組み(左)と全塗装(右)の比較。

画像の2体の完成品は、全く同じプラモデルを一方は素組み(左)、一方は全塗装(右)で仕上げたものです。
それぞれを、どう感じるでしょうか…?
全塗装で仕上げたものは、素組みの「いかにもプラスチック」という質感とは異なり「独特の重み」、「味」があるのです。
この塗装によって得られる「味」こそ、プラモデルの醍醐味だと思っています。
工業製品を組み立てただけの素組みとは違う、自分だけの完成品…
製作テクニック、特に塗装によって模型の「味」は大きく異なります。
当ブログで取り扱う「筆塗り」は製作者の技量やセンスが出来栄えに大きく反映されるため、それが難しさでもあり楽しさでもあります。
この記事は筆者自身の製作の記録として、またこれからプラモデルを始める初心者の方の、何かの参考になればと思って書いてみました。
筆塗りプラモデルの魅力を少しでも伝えることができたら…と思っています。

どんなものが出来上がるんだい?と思ったせっかちさん向けの完成品紹介ページはこちら↓

2.ガンプラ初心者向け!?超最低限の工具購入ガイド

製作に必要な道具たち…主に工作に使用する工具と、塗装に使用する塗料や筆などの塗装用品に大別されますが、今回の製作ではその全てを最低限、最小限のものだけに限定して使用しました。
これは筆者自身がブランク明けの制作だったため初心に戻るためという意味が一つ。
もう一つは、限られたおこづかいや行動範囲で四苦八苦しながらプラモ作りに勤しんでいた中学生時代へのリベンジとして…です。
コンセプトは「お金をかけない」「自転車で移動できる範囲の実店舗で入手」「通信販売は禁止」
つまり、「中学生時代の自分」「限られたおこづかい」を握りしめて「自転車で買いに行くことができる」道具ということです。
今まで素組みしかしたことがない方も、これなら気軽に本格的な模型製作を始められるかも…!?

工具
工作で使用する道具たち。これ以上は削減不可能です(笑)

と、いうことで上画像が工作に使用する道具たち。
シンプル過ぎ?いえいえ、これでも最低限の基本工作は(何とか)こなせます。
一つずつ、入手方法と合わせて見ていきましょう。

2-1.工具1.オルファ アートナイフ

工具
モデラー必携工具のアートナイフ。画像は筆者所有の20年物なので汚れていますが(汗)現行製品と基本的に同じもののはずです。

モデラー(模型趣味の人のことです)必携のアートナイフです。
パーツ整形で使う道具としては定番中の定番工具。
入門レベルの初心者からプロレベルまで、ずっと使うことができます。
交換式の刃をケチらずに切れ味の良い状態を保つことがうまく扱うコツ。
同様の工具にデザインナイフがありますが、ここでは入手、扱いともに容易なアートナイフをチョイスしました。
デザインナイフとの違いは刃先の幅と角度。
アートナイフの方が幅広なので刃先の耐久性も高く扱い易いと思います。
模型専門店はもちろん、文房具店、またホームセンターや本屋の文房具売り場でも入手可能。
専用替刃25枚入りとのセットで税込定価605円、実売価格は400円前後のようです。(記事執筆時、筆者調べ)
長く使うものなので100円ショップの類似品ではなくオルファブランドの品の入手をおすすめします。

2-2.工具2.ミネシマ ベビーニッパー

工具
100円ショップのものを除けば模型用ニッパー最安と思われるベビーニッパー。性能は値段なりですが十分使うことができます。

パーツの切り離しに使用するニッパーです。
模型用ニッパー最安と思われるベビーニッパーですが、「2度切り」「パーツのフチはナイフで処理する」といった基本動作を守れば十分使っていくことができます。
逆に言えば、高価なニッパーは多少ラフに切り込んでもある程度キレイに仕上がるということです。
(※注:もちろん、雑で良いという意味ではありません…特に高価な薄刃タイプのニッパーなどは繊細に扱わないと性能を活かせず、刃こぼれの危険もあります)
値段を取るか、性能を取るか…そこは製作者の考え方次第といったところですが、ベビーニッパーも最初の一本としては「アリ」な品だと思います。
模型専門店の他、スーパーや家電量販店の模型売り場で手に入ることが多いでしょう。
こちらも税込定価605円、実売価格は400円台からといったところでしょうか?
カッターやピンセットとのセット売りもありますが、まずは単品で入手しましょう。
それぞれの工具は、それが必要になった段階でそれなりのグレードものを選んだ方が結果的に安上がりになると思います。

2-3.工具3.ハサミ

工具
家庭用のハサミ。今回は家にあったものを使いました。安物で十分です。

普通の工作用ハサミです。
紙ヤスリを使いやすいサイズに切り出すのに使います。
精度の高い切り出しは必要なく、また紙ヤスリを切ることで刃先が痛むので安物で十分です。
日用品であり、学校教材でも購入しているはずなので持っていないことはないでしょう。
新しく購入する場合でも高級品は必要ありません。
文房具店で購入すると\300円程度~でしょうか。

2-4.消耗品1.紙ヤスリ(耐水ペーパー)

工具
耐水性紙ヤスリ、通称「耐水ペーパー」です。プラモ作りでは湯水の如く消費します。

紙ヤスリの中でも水を付けて磨く「水研ぎ」ができる耐水性のものです。
模型製作界隈では紙ヤスリのことを「ペーパー」と呼ぶため、これは「耐水ペーパー」などと言われます。
ヤスリ目の細かさによって番手が分けられており、何番のものを使うかは製作スタイルによって異なりますが…いわゆるガンプラの基本工作においては400から600番くらいの使用頻度が多いでしょうか。
筆者の考えとして、よほど表面の状態にこだわらなければ通常は400番のみで作業をすれば良いと思っています。
今回も400番の耐水ペーパーを用意しました。
これもアートナイフの替刃同様、切れ味(削り味?)が悪くなったらすぐに新しいものに交換することがキレイに仕上げるコツです。
単価も安いので湯水の如く使い捨てましょう。
筆者は今回製作した1/144のHGUCザク1体で、上記画像の400番ペーパーをちょうど丸1枚消費しました。
入手はホームセンターで。
模型専門店ではタミヤのフィニッシングペーパーなどの高級品もありますが…入手性の良いホームセンター扱いの品で問題ないでしょう。
実売価格は1枚100円弱といったところでしょうか。

2-5.消耗品2.プラモデル用接着剤

工具
いわゆる溶剤系のプラモデル用接着剤。特に初級では流し込みタイプや瞬間接着剤よりも使いやすいと思います。

 

素組みと異なり、全塗装を前提としたガンプラの組み立てでは基本工作として接着剤を使用した「合わせ目消し」を行います。
プラモデル用の接着剤は大別して「溶剤系」「流し込み系」「瞬間接着剤」の3種類がありますが、これは「溶剤系」といわれるトロミのあるタイプです。
パーツの両面にたっぷり塗り付けてから貼り合わせます。
タミヤやGSIクレオスといった模型メーカーのほか、セメダインの製品もあります。
「プラモデル用」「スチロール樹脂用」といった表記のものを選びましょう。
メーカーの違いにより粘度に差があるらしいですが、筆者は使用感に差はないと感じています。
また、どの製品も開封後は溶剤の揮発により粘度が上がってくるため、入手しやすいメーカーのものを選べばよいと思います。
上記画像はGSIクレオスのもの。
タミヤやGSIクレオスのものは模型専門店、またスーパーや家電量販店の模型売り場で。
セメダインのものはホームセンターで入手可能。
40ml入りの大瓶で実売価格200円前後のようです。

2-6.消耗品3.新聞紙

工具
どこにでもある新聞紙。机を傷つけないように敷きましょう。

普通の古新聞です。
模型製作ではナイフの刃を机に押し付けるように切り込んだりする機会も多いため、机を傷つけないように敷いておきましょう。
塗装の際にも机を汚さないように敷いておきたい。
古雑誌や古カレンダーなど、なんでも代用可能。
将来的にはカッターマットを入手しても良いですが…古新聞でも十分でしょう。

2-7.その他.水を入れる容器

工具
水を入れておくための背の低いお皿。廃品利用で十分です。

先に紹介した紙ヤスリ(耐水ペーパー)は水を付けて削る「水研ぎ」で使用します。
その際、耐水ペーパーに水分を補給する背の低いお皿を手元に置いておくと便利です。
画材店で入手できる「とき皿」や100円ショップで好みのお皿を探しても良いのですが、廃品利用でも十分に使用できます。
上記画像は胡麻豆腐の空容器です(笑)。
プリンやヨーグルトの容器など、なんでも可。
節約できるところは節約しちゃいましょう。

2-8.歯ブラシ(追記)

工具

今までに紹介したの道具の他、歯ブラシが一つあると便利に使えます。
パーツや工具に付いた削りカスを取り除くほか、塗装前のパーツ洗浄でパーツをこすり洗いするのにも使えます。
使い古しを流用すればタダですし、新品を入手しても安いものなら1本100円もしないと思います。
繊細な毛先は必要ないので(笑)安物で十分です。

3.合計費用は…!?

先に説明したように、この記事の冒頭で紹介した筆塗り全塗装ザクは今までに紹介した最低限の道具だけで製作しています。
気になるお値段は如何ほどでしょうか…!?

  • オルファ アートナイフ 実売400円前後(筆者調べで415円
  • ミネシマ ベビーニッパー 実売400円台から(筆者調べで420円
  • ハサミ(汎用品) 家庭にあるもので十分です。購入する場合は\300程度~
  • 紙ヤスリ(耐水ペーパー)400番を2枚 1枚100円程度から、2枚で200円以内
  • プラモデル用接着剤 タミヤセメント(大)が定価で220円
  • 新聞紙 廃品利用で0円
  • 水を入れる容器 廃品利用で0円

以上、合計1555円となりました。
安売り店を見つけられるかで多少の入手価格は変わってくるかもしれませんが、それでも(追記の歯ブラシを入れても)2000円程度で今回紹介した道具を全て入手することができるはずです。
また、購入店舗についても、文房具店(売り場)、ホームセンター、スーパーや家電量販店の模型コーナーのみで完結することができるので、今回のコンセプト「中学生時代の自分」「限られたおこづかい」を握りしめて「自転車で買いに行くことができる」ものとして、十分現実的なのではないでしょうか。

4.あとは塗装道具だ…!(別記事)

あとは塗装道具を手に入れれば筆塗り全塗装ガンプラの製作に必要な道具が全てそろうことになります。
この調子で安くお手軽に入手していきたいですね。
そちらの方はまた別記事で…↓

実際の製作過程も順を追って紹介しています↓