基本工作で作るHGUCサザビー 塗装編10.「細部の塗装・その2(シールド・ビームライフルの塗り足し、塗装で表現するモノアイとセンサー)」

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工作編1.「パーツの切り出しとゲートの処理」
工作編2.「スナップフィットの処理」
工作編3.「表面処理で使う工具・一覧レビュー」
工作編4.「表面処理・その1(基本的なペーパーがけ)」
工作編5.「表面処理・その2(合わせ目消し)」
工作編6.「表面処理・その3(ABS製パーツの処理、その他)」
工作編7.「やさしめディテールアップ加工・その1(簡単な削り込み)」
工作編8.「やさしめディテールアップ加工・その2(ノミを使った彫り込み)」
工作編9.「やさしめディテールアップ加工・その3(プラ材を使った改修)」
塗装編1.「塗装の準備~塗装道具を一覧で紹介」
塗装編2.「水性ホビーカラー筆塗りの基本と下地塗装」
塗装編3.「アクリジョン ベースカラー筆塗りでABSパーツの下地塗装」
塗装編4.「再度の仮組みと塗り残しチェック」
塗装編5.「水性ホビーカラー筆塗りで黒立ち上げ・2色目以降の重ね塗り」
塗装編6.「ハイライト・シャドウの描き込みとドライブラシによる筆ムラの馴染ませ」
塗装編7.「メイン以外の色を塗っていく・その1(本体の黒いパーツ・関節・バーニアの塗装)」
塗装編8.「メイン以外の色を塗っていく・その2(動力パイプ等の黄色・ビームライフル等武器類の塗装)」
塗装編9.「細部の塗装・その1(はみ出しの修正、ファンネル・バーニアの塗り足し)」
塗装編10.「細部の塗装・その2(シールド・ビームライフルの塗り足し、塗装で表現するモノアイとセンサー)」
塗装編11.「シールの扱いと筆でのタッチアップ」
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今回も塗り分けの続きです。
シールドとビームライフルの細部に色を入れていくのと、モノアイも塗装で仕上げてみましょう。
クリアーパーツへの改造などをしなくても、塗装を工夫することでキラリと光るモノアイを表現することができますよ。
それでは今回も順に見ていきましょう。

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シールド

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前回の記事に続き、黄色で塗り足しをしなければいけない部分はあと一つ、シールド中央の黒いパーツですね。
右側の細くなっている部分の表面にある細長い出っ張りが、本来黄色になっている部分です。
基本塗装はミッドナイトブルーのドライブラシで仕上げてあります。
黒に近いグレーといった色なので黄色は発色しにくいですが、他の部分と同様、段階的に重ね塗りをして塗り分けていきましょう。

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まずはミドルストーンから。
希釈しているので一回塗りではまだ透けがありますね。
とはいえ1層目でこれくらい発色してくれるのならば、ここも割と少ない回数で塗り上げることができそうです。

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2層目はオレンジイエローにミドルストーンを少量混ぜたもの。
かなり発色してきていますが、ここではそれよりも凸ディテールのキワ…塗り分けの境界線に塗料が流れこんでいるので、塗り分けラインがピシッと揃っていないのが気になります。
希釈した塗料を塗っているので、どうしてもパーツの凹部には塗料が流れ込みやすいんですよね。
ということで、次はここを何とか誤魔化してみようと思います。

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塗り分けの境界線に沿って、レッドブラウンを細く描き込みました。
スミ入れではありませんが、凸ディテールのキワに暗色を流し込むようなイメージですね。
ミッドナイトブルーの基本塗装の側にもそれなりのはみ出しがありますが、これは後で修正します。
塗り分けの境界線に暗色が入ることによって輪郭がボヤけ、多少のラインのブレは自然に見えるようになりますよ。

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そして凸ディテールの部分を更に塗り足し。
オレンジイエローを上塗りして彩度を上げてみました。
当然ここでも下塗りの色に影響されるので塗った色そのものは発色しませんが、だんだんと色が鮮やかになってきているのが分かります。
黄色部分の塗装としては、これくらい発色してくれれば充分でしょう。
これ以上塗り足しをして彩度を上げすぎると、逆に他の部分から浮いてしまう可能性もありますからね。
あとはレッドブラウンのはみ出しを直して仕上げとしましょう。

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基本塗装の側の色であるミッドナイトブルーを面相筆の穂先に含ませてはみ出しを修正します。
筆の毛の先端を使って慎重に慎重に…
塗り分けの境界線にあるレッドブラウンをほんの少しだけ残すようにイメージして塗っていくと、自然な感じで仕上げることができると思います。

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そして修正が終わった状態がこちら。
前の状態と比べて、塗り分けの境界部分にあった茶色のボヤけ具合が少なくなったのが分かるでしょうか。
これで色の境界に少しだけ残ったレッドブラウンが色のボケ足になってくれることで、フリーハンドによる塗り分けの不自然さが和らげられる効果を出すことができます。
このパーツもここで終了で良いでしょう。

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ビームライフル

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ビームライフルも色が足りない箇所があるので塗り足しをしていきましょう。
写真の中で矢印で示したあたりは動力パイプのような造形となっていますが、このパイプ部分は赤で色分けされている設定です。
このパーツもシールドと同様に基本塗装はミッドナイトブルーによる仕上げ。
筆先の塗料を多めに残したドライブラシで下の色をほぼ塗りつぶしています。
下地としてはかなり暗い色なので一度に目的の色を塗ろうとはせず、隠ぺい力の高そうな、少し彩度の低い色から塗り始めてみることにしましょう。

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ちょっと光の反射で状態が見づらいですが、ワインレッド(マルーン)を上塗りした状態。
もちろん希釈して塗っているのは今までと同じです。
やはり発色は下地の影響を受けているので、色味としてはあずき色のように見えてしまいますね。

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次は純粋なレッド(赤)を塗り足します。
ビン生の塗料はこんなに鮮やかな色ですが…!?

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ここでも下地の影響を受けた上での発色になるので、色味は少し濁ります
とはいえ、ここまで発色してくれれば充分に感じますね。
少し彩度が低めな色になっているのも、他の部分との調和を考えれば丁度よい塩梅です。

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あとは、フリーハンドではどうしても塗り分けの色の境界の線がガタガタになってしまうので、暗色をスミ入れ風に描き込むことで違和感を少なくします。
シールドの凸ディテールに黄色を塗った時と同じ考え方ですね。
上の写真は赤色の境界部分にレッドブラウンを描き込んだ状態。

パイプの上に等間隔に入った凹モールド部分にも影色が入るように描き込みを加えています。
こんな凹モールドへの影色の追加は、場合によってはスミ入れで処理することもできそうな感じを受けますが、今回の場合は凹モールド自体がかなり浅く彫り直しもしていないこと、また水性ホビーカラーの基本塗装に対して同じく水性ホビーカラーで影色を入れているので、ふき取りを前提としたスミ入れは手法として採用することができません。
手順としては、はみ出しが少なくなるように面相筆の穂先で細かく描き込んで、はみ出し部分を後から修正していくことになりますね。

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パイプ部分に描き込んだレッドブラウンの状態が分かるでしょうか?
色の境界や凹モールドに沿って色を入れてはいますが、どうしても若干のはみ出しがあるのでここからこれを修正していきます。
赤は「レッド(赤)」で、基本塗装の部分には「ミッドナイトブルー」を使い、面相筆の穂先で細かく描き込んでいきましょう。

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繰り返しですが、細かな描き込みには面相筆の穂先の状態が非常に大切です。
横着して多くの塗料を含ませたまま塗装をしようとすると、容易にはみ出しをしてしまいますよ。
写真から、筆の穂先の状態がイメージできるでしょうか?

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こちらは筆先のふき取りに使うキムワイプ。
希釈した塗料を筆に含ませたら、塗料皿のフチで穂先をよくしごいて塗料の量を減らし、さらにキムワイプの上で軽くふき取りをして穂先を整えてから実際の塗装に入るのが良いですね。
このあたりは平筆でベタ塗りをする時も、面相筆で細かな描き込みをする時も同じです。

上の写真は、今回の工程ではみ出しの修正をしたときに筆の穂先を整えた時のもの。
塗料の希釈率や筆に含ませる量の状態を感じてもらえたら、と思います。

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ということで、こちらは修正が終わったもの。
この写真ではちょっと細部が分かりづらいですかね…

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塗り分けたパイプ部分が見えやすいように写真の角度を調節してみました。
色の境界とパイプの凹モールドにもスミ入れ風にレッドブラウンが入ったのが分かるでしょうか?
色のはみ出しもうまく修正できたので、ここもこれで終了で良いと思います。
黒に近い色の基本塗装への上塗りでしたが、段階を踏むことできちんと色を入れていくことができましたね。

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塗装で表現するモノアイと頭頂部センサー

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そして今度はジオン系MS(モビルスーツ)の大きなポイントとなるモノアイ(頭部にある一つ目型のセンサー)です。
上の写真がキットのモノアイ部分ですが、上側に付いている丸い出っ張りがセンサーユニットなので、ここを塗装することになりますね。
モノアイはMSの顔の中でも「目」に相当する部分で非常に目立つので、製作者によってはクリアーパーツに置き換える改造をする場合等もありますが、管理人としてはやはり塗装にこだわりたい…ということで、ここも筆塗りで上手く表現してみたいと思います。

このパーツはバーニア類と一緒に基本塗装を進めておいたので、この状態ではワインレッドの上にネイビーブルーを上塗りした、つや消しの塗装で仕上がっていますね。
ここではここからの塗り足しを考えていきましょう。

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まずは下地としてホワイトを塗ることで上塗りの発色を良くします。
キラリと光るセンサーにしたいので本当はつやありのホワイトが良かったのですが、たまたま手元のストックを切らしていたので今回はつや消しホワイトを使うことにしました(汗)。

まずはビン生の濃い塗料を面相筆の穂先にチョン付けします。
今回はつや消しホワイトを使っているので、つや消し剤があまり含まれていなさそうな上澄みに近い部分から塗料を掬い取ってみました。
(基本事項として、これまでの塗装と同様に面相筆の穂先はうすめ液で少し湿らせておきます。)

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そしてパーツのセンサー部分に濃いままの塗料を塗り付けます。
多少厚塗りになってしまいますが、ここでは特に気にする必要はありません。
むしろ表面が少し盛り上がっていた方がレンズのように見える場合もあったりするので、ある程度は厚塗りの方が良い場合もあるかもしれません。
ここでの発色が仕上がりにそのまま影響するので、まずは白をハッキリと発色させることを優先させましょう。
とりあえず写真の状態くらい塗れていれば大丈夫です。

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続いてクリアーグリーンの上塗り…なのですが、現在のクリアー系塗料は染料ではなく顔料が使用されているので、ビンの中でハッキリと成分が分離しています。
管理人のような出戻りモデラーはクリアー系塗料には染料が使われていて成分の分離がないイメージがあるのでついそのまま使ってしまいそうになるのですが、ここは他の塗料と同様に撹拌を忘れないようにしましょう。

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使う塗料は極少量。
かき混ぜに使った調色スティックの先に付いた分だけで充分です。
ここから希釈なしのビン生塗料を面相筆の穂先に取ります。

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そして、白で下塗りしたセンサーにクリアーグリーンを上塗り。
クリアー系塗料は下地の色の影響をハッキリと受けますが、ビン生の白で完全な白の下地を作っておいたおかげで、上塗りのクリアーグリーンもきれいに発色してくれましたね。
塗膜の表面も光沢が良く出ているので、キラリときれいに光るセンサーが表現できました。
このような塗装で仕上げたモノアイ・センサーは、完成後にも差し込んだ光をよく反射してくれるため、鑑賞者の目を引きやすいMSの頭部の中で良いアクセントになってくれます。
クリアー系カラーの下地にはシルバーを使う方法もありますが、管理人としては色がより鮮やかに見える白下地の方がお気に入りですね。

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同様の方法で塗装しておきたい部分として、頭頂部に装備されているセンサーユニットがあります。
上の画像は頭部パーツの頭頂部にあたる部分ですが、オデコにあたる部分にモノアイと同色のセンサーが装備されているようです。
初代ガンダム(RX-78-2 ガンダム)でいうところのメインカメラにあたる部分ですね。
ここも塗り分けが必要なので、モノアイと同様の方法で色を入れてみましょう。

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面相筆の穂先で、ビン生のつや消しホワイトを塗った状態。
筆先の塗料が濃い目なこと、またパーツの形状自体も奥まった部分に色を乗せなければならないことから、楽に塗れる形状であった先程のモノアイよりもかなり慎重に塗装を進めていく必要があります。

そしてここでは、純粋な白というよりも白濁したクリアーホワイトのような色になっていますね。
ビン生の塗料を掬い取る時に、少し顔料成分の少ない部分を取ってしまったのが原因のようです…
これでは下地にハッキリと白を発色させたモノアイよりも仕上がりの色が少し暗くなってしまうかもしれませんが、ある意味それも表現の違いということで…
ここはこのまま、クリアーグリーンの塗装に進んでみることにしました。

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クリアーグリーンを上塗りしてみたのがこちらですが、やはり少し色が暗いですね…!
クリアー系カラーは下地の影響をハッキリと受けるので、不十分な白さでは上塗りの緑も曇ってしまうのです。
モノアイとはセンサーの種類が違うのだと思えば、ある意味悪くはない表現ですが、とりあえず先に仕上げてあるモノアイのパーツと比較をしてみましょうか。

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こうして並べてみると、やはり頭頂部センサー(右)の方がモノアイ(左)よりも暗い色となっているのは間違いないようですね。
とはいえ、思った程悪くない雰囲気のようです。
これを直すとしたら下地のホワイトからの塗り直しになってしまうので、今回はそこまでする程のことでもない…という判断で、この状態を完成状態として採用することにしました。
反省点としては、やはりビン生を使う場合でも塗料はしっかりとかき混ぜて使うことと、あとは横着しないで切らしているホワイトを買ってこないとダメですね(笑)

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おしまい

2回に分けて見てきた細部の塗り分けも今回で終了です。
やはり黄色などの隠ぺい力が低い色は発色までに数回重ね塗りをすることになりますが、段階を追って丁寧に仕上げていきたいところです。

ホワイトの下地にクリアーカラーを重ね塗りしたモノアイやセンサーは管理人お気に入りの表現。
今回は「基本工作で作る」というコンセプトでの制作なので、できるだけ既存の改造パーツには頼りたくないということもありますが、頭頂部センサー(メインカメラ?)のようにセンサーの形が円形以外の場合も多々ある訳ですから、塗装で表現できる方法を自分の技術の引き出しに入れておくと表現の幅が広がると思いますよ。
本文中でも触れましたが、ホワイトの下地でも思った以上に外光を反射してくれます。

さて、次回で塗装編もいよいよ最終回。
付属のシールについても扱いを考えてみましょう。

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