最小限の道具でガンプラ!中学生のおこづかいで調達する塗装道具

1.はじめに

ガンプラ筆塗り全塗装…!
なるべく安く簡単にそろえた道具で作っていくという当企画…今回は塗装道具の紹介です。
工作で使用する道具と同様、今回もコンセプトは「お金をかけない」「自転車で移動できる範囲の実店舗で入手」「通信販売は禁止」
つまり、「中学生時代の自分」「限られたおこづかい」を握りしめて「自転車で買いに行くことができる」道具たちです。
工具などの工作道具は前回の記事で紹介しています。

塗装で使用する道具はそれほど多くありません。
今回も順番に、入手方法と合わせて見ていきましょう。

お題はHGUCの量産型ザクです!


どんなものができあがるんだい?と思ったせっかちさん向けの完成品ページはこちら↓

2.ガンプラ初心者向け?超最低限の筆塗り塗装道具購入ガイド

初心者向け塗装用品
筆3本とスポイト、廃品利用のお皿です。(写真は別々に撮ったので合成しています。)

当ブログで扱う「筆塗り」は、エアブラシや缶スプレーなどの吹き付け塗装と比べて必要な道具も少なく手軽に始められるのがメリットです。
新しく用意する道具は上記画像の内容だけで大丈夫…実にシンプル!
あとは机が汚れないように敷いておく新聞紙、それに肝心の塗料と撹拌に使うランナー棒ですね。

新聞紙
工作道具編でも紹介した新聞紙。今回も机に敷いて使います。
水性ホビーカラー
水性アクリル系塗料「水性ホビーカラー」。2019年11月より写真のラベルの新版に切り替わっています。
ランナー
プラモデルのパーツが付いていた外枠「ランナー」を切り出したもの。多めに用意して使い捨て感覚で。

「ランナー棒」は、プラモデルのパーツを切った時に余る外枠部分を棒状に切り出したものです。
プラモデル用の塗料は瓶の中で分離しているため使用前には撹拌が必要ですが、今回はこのランナー棒を使用します。
使い捨て感覚で、あらかじめ多めに用意しておくと便利です。
切り出しはシビアに考える必要はないので、ニッパーで適当にザクザクと…で大丈夫。

あとはおまけです(笑)
洗浄用のマジックリン…必須ではないのですが、お金に余裕があれば買っておくと片付けが楽になります。

マジックリン
水性アクリル系塗料、後片付けの必殺兵器マジックリン。

2-1.塗装道具1.面相筆と平筆

面相筆と平筆
文房具店で買ってきた筆2本。メインは面相筆です。

筆塗り塗装では筆の選択は非常に重要です…
と言っても何を選べば良いのかは作る人の塗り方や方法によっても変わってくるところなので…「これ!」というのも難しいところです。
今回はお金をかけないコンセプトなので文房具店で安そうな筆を選んできました。
ペンテルのデザイン筆というもので、1本200円程度と選びやすい値段なのではないでしょうか?
筆者の塗り方では広い面も含めて、ほとんどを面相筆で塗っていきますが、一部は平筆もあると塗りやすいと思います。
もっと安いものでは100円ショップの筆という選択肢もありますが、品質が不安なので今回は手を出しませんでした…

筆
穂先のアップ。平筆で面を塗っていく方法もありますが、今回はほとんど面相筆を使います。

 

正式な商品名は「ぺんてる デザイン筆 面相筆 小」と「ぺんてる デザイン筆 平筆1号」ですね。
文房具店、本屋やホームセンターの文房具売り場、また(あれば)画材店などでも入手できるでしょうか。
税込定価はそれぞれ242円、253円。
実際には少し割引価格で購入できるようです。

2-2.塗装道具2.豚毛の平筆

筆
豚毛筆はドライブラシ用にチョイス。毛先の適度な硬さが重要です。

メインで使用する筆とは別に、豚毛の平筆も用意しておきます。
これは「ドライブラシ」という塗り方をするためのもので、この技法によってかなりの部分で「塗装の粗」を隠すことができるため、仕上げの段階で積極的に使っていきます。
ドライブラシではかなりラフに筆を扱うため、穂先に硬さのある豚毛が使いやすいです。
今回選んだものは、「ぺんてる 高級画筆 <豚毛> 平筆8号」というもので税込定価220円、実売は200円程度で入手できるでしょうか。
これも文房具を扱っているお店で手に入ると思います。
また、このドライブラシには少し毛先を短くした方が扱いやすいため、実際に使う前にニッパーで穂先を短く切りそろえておきます。

筆
ニッパーで穂先をカット。思い切ってバッサリいきましょう。

カットする長さは好みですが、大体半分か、もう少し残し気味くらいを目安にするのが良いと思います。
カットできたら紙ヤスリの上で穂先を払って抜け毛を取り除いておきましょう。

筆
穂先をカット済の豚毛筆。筆者はこれくらいの長さが好みです。

2-3.塗装道具3.スポイト

筆
普通のスポイト。高価なものではありませんが、どこで売っているか意外と知らないかも?

液体を少量ずつ滴下するためのスポイトです。
塗料を薄めるときに、水やうすめ液(今回は水のみで希釈しますが)を適量加えるために必要です。
入手方法は文房具店、本屋やホームセンターの文房具売り場、100円ショップ。
気の利いた模型売り場なら塗装用品の隅に置いてあるかもしれません。
文具としては、書道用品の棚に置いてあります。
硯(すずり)に水を入れるために使うのですね…
値段は、2~3個セットのものが100円以下で手に入ると思います。

2-4.塗装道具4.塗料皿と水をいれるお皿

筆
廃品利用の空き容器。塗料皿、また水のお皿として。

模型用塗料は基本的に瓶からそのままではなく、塗料皿に開けて希釈したものを塗ります。
ずっと模型趣味を続けていくなら、絵画用の「とき皿」を用意しても良いのですが…
とりあえずは工作道具編でも使っていた廃品の空き容器で十分使用できます。
写真はまた胡麻豆腐の空き容器を用意しました。
塗料をいれて薄める用に1つ、希釈や筆洗い用の水を入れておく用にもう1つか2があれば十分でしょう。

2-5.消耗品1.ランナー棒

ランナー棒
こちらも廃品利用、ランナーを適当にカットして作ります。

プラモデルの箱の中でパーツがセットされている「ランナー」…製造時にパーツが成型される際の樹脂の流れ道です。
組み立てには必要のない部分ですが、棒状に切り出しておくと色々と便利に使えるものでもあります。
今回は塗料の撹拌と、塗料皿へ塗料を取り出すのに使います。
専用品では、金属製の撹拌棒が模型メーカーから発売されていますが、最初はこのランナー棒でも十分でしょう。
キレイに洗って再利用するのは難しいので、消耗品としてある程度のところで使い捨てていきましょう。
精度が必要なものでもないので、ニッパーで適当にザクザク切るだけで大丈夫です。
棒として、直線部分を長めにとれる場所を探して切り出しましょう。
写真では少な目の本数ですが、最低でも使用する色数以上の本数は用意しておいた方が良いです。

2-6.消耗品2.新聞紙

新聞紙
毎度おなじみの古新聞。机の塗料汚れは落ちにくいので必ず使いましょう。

工具、工作道具編でも使用した古新聞。
塗装作業では机が汚れることが多いので事前に用意しておきましょう。
作業スペース全体を覆うように、広めに敷いておくと安心ですね。

2-7.塗料.GSIクレオス 水性ホビーカラー

水性ホビーカラー
国産水性アクリル塗料、水性ホビーカラー。2019年秋のリニューアルで性能と値段がアップ(汗)

塗料は扱いやすい水性アクリル系、今回はGSIクレオスの水性ホビーカラーを使いました。
国産の水性アクリル系塗料というと、これかタミヤのアクリル塗料ミニの二択になりますが、タミヤアクリルについてはまた別の機会に…
今回はこの水性ホビーカラーを水道水で希釈して使います。
本当は「うすめ液」(専用の溶剤)で希釈した方が扱いやすいのですが…安さを求めるなら水しかないです(笑)
基本色を5色とフラットベース(つや消しにするための添加剤)、合わせて6つを購入しました。
購入は、近くに模型専門店や模型用品が充実しているおもちゃ屋があればベストですが、現代ではその手のお店は本当に少なくなりました。
現実的にはスーパーや家電量販店の模型コーナーになるでしょう。
お店によって扱っている塗料の種類が違うので、住んでいる地域を色々回ってみましょう。
値段は税込で1色198円…模型専門店では品ぞろえが良いかわりに定価販売、量販店ではその逆…というパターンが多い印象です。

【追記】
上でも少し触れましたが、水性ホビーカラーを含む水性アクリル系塗料は「うすめ液」で希釈した方が扱いやすいです。
今回の企画のように極限まで用品の購入費用を削減する目的でもなければ、うすめ液を使った方が良いでしょう。
模型専門店でなくても、塗料を扱っている量販店なら一緒に売っていることが多いです。
筆やお皿などの用具の後片付けは、乾燥前なら水道水で。
もし乾燥してしまっても後述のマジックリンで落とすことができるので、うすめ液は塗料の希釈専用として使うことができます。
希釈のみなら消費量もそれほど多くはならないでしょう。
GSIクレオスの水性ホビーカラーうすめ液が手に入らない場合はタミヤのアクリル塗料溶剤でも代用可能です。
と、いうか昔は水性ホビーカラーの純正うすめ液が発売されていなかった(!)ので、水性ホビーカラーをタミヤアクリルの溶剤で薄めて使うのが定番手法となっていました。

 

2-8.番外編.花王 マジックリン

マジックリン
家庭用洗剤、マジックリン。水性アクリル系を使い続けるなら買って損はないです。

なんでマジックリン?とお思いの方もいるかと思いますが…これがまた便利なんです。
当ブログで扱う水性アクリル系塗料は、このマジックリンで溶かすことができるのです!
もちろん今回紹介した水性ホビーカラーも水性アクリル系に含まれるので、マジックリンを1本用意しておけば後片付けが格段に楽になります。
いくら水性の塗料といえど乾燥し始めると水での用具洗いは難しくなりますが、マジックリンを使えば簡単に、きれいに洗うことができるでしょう。
水性アクリル系塗料を使ってプラモデル趣味を続けていくつもりがあるならば、購入を強くおすすめします!
入手はスーパーやドラッグストアで。(現在は上の写真のものからパッケージデザインが変更されているようです)
価格は、オープン価格なのですね…!
筆者はドラッグストアにて312円で購入しました。(だいたいそんなものでしょうか?)

【追記】
以下の記事にて、マジックリンを使って完全に固まった塗料ビンを洗ってみました!

3.合計費用は…!?

今回見てきた塗装道具も、筆者が考える最低限度のものです。
果たしてお値段は如何ほど…!?

  • ぺんてる デザイン筆 面相筆 小 定価242円(管理人購入価格169円
  • ぺんてる デザイン筆 平筆1号 定価253円(管理人購入価格177円
  • ぺんてる 高級画筆 <豚毛> 平筆8号 定価220円(管理人購入価格154円
  • スポイト 実売100円以下
  • 廃品のお皿(容器) 廃品利用で0円
  • ランナー棒 廃品利用で0円
  • 新聞紙 廃品利用で0円
  • GSIクレオス 水性ホビーカラー 定価で1色198円、6色で1188円
  • 花王 マジックリン オープン価格(管理人購入価格312円

必須ではない…と説明したマジックリンも含めて、合計2100円となりました。
2500円も用意しておけば十分お釣りがくる計算だと思います。

今回も購入店舗は極力模型専門店を避け、街中の普通の店にこだわりました。
筆とスポイトは文房具店、また本屋やホームセンターの文具売り場で。
マジックリンは汎用品なのでドラッグストアで普通に売っています。
塗料だけは模型専用品なのですが…スーパーや家電量販店の模型コーナーで購入できる可能性が高いでしょう。

冒頭で説明したコンセプトの通り、「中学生時代の自分」「限られたおこづかい」を握りしめて「自転車で買いに行くことができる」もの…
塗装道具編としてはこんなところになるでしょうか。

4.いよいよ製作していきます…!

これで前回の「工具、工作道具編」と合わせて筆塗り全塗装ガンプラに必要な道具は全てそろったことになります!

この後は、パーツの切り出しから塗装して完成させるまでの工程を順に紹介していきます。
そちらはまた別記事で追って見ていきます…!