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塗装編5回目、本体の上塗りに入ります。
前回までで暗色に塗りつぶした上から段階的に明色を重ねて目的の色に近づけていく、所謂「黒立ち上げ」と言われる塗装方法ですね。
管理人は純粋な黒の塗料は使わないので個人的には「暗色立ち上げ」と呼んでいるのですが…このような塗装法は下地にマホガニー等の黒ではない暗色を使う場合でも「黒」立ち上げと呼ぶ場合が多いようです。
そういえば、かつて一世を風靡したMAX塗りでも下地はベースグレーであって黒ではないですからね。
言葉の定義というのも難しいものです、、、
上の写真は1色目の下地塗装として「暗緑色(濃緑色)(2)」で全体をベタ塗りした本体を仮組みしたもの。
ここから色を重ねて、少しずつに目的の色に近づけていきますよ。
重ね塗りの計画
サザビーのメインカラーは赤なので、段階的に明るい赤になるように重ね塗りをしていきます。
暗色の下地に塗ること、また塗料を薄く重ねていくことから、上塗りは塗料そのままの色としては発色しませんが、下地との兼ね合いで生まれる微妙な色の加減もこの塗装方法の味なのです。
実際に塗ってみないとどんな色になるのか分かり辛い部分もあるので、ある程度はその場その場の感覚で調整していくことになりますね。
まあ、イメージと違ったらその都度どんどん塗り足していけば良いので…基本的には難しく考えず気楽にペタペタ塗っていくのが楽しいと思います。
気を付けるのは一度に厚塗りしないようにすることだけ。
塗料は1色目の時と同じく、各段階で2.5倍程度まで薄めて下地を透かせながら薄く薄くを意識して塗膜を重ねていきます。
2色目、レッドブラウン
レッドブラウン。
所謂「こげ茶」ですが、今回は赤系統の暗色として選びました。
下地の一色目と同じく2.5倍(塗料:溶剤=1:1.5)を目安に薄めて薄く重ねます。
希釈に使う溶剤は、今回も水性ホビーカラー純正うすめ液を水道水で2倍に割った「1/2うすめ液」です。
左側のパーツが希釈したレッドブラウンを一回塗りしたもの。
写真ではもうほとんど下地の緑を覆いつくしているように見えますが、実際はまだまだ下地の透けがある状態です。
1色目の時は4~5層ほど重ね塗りして下地のプラを(ほぼ)完全に覆うようにしましたが、2色目以降は下地色の透けを活かしながら重ね塗りをしていくので、塗膜は各色ごとに一層(一回塗り)だけに留めておきます。
上2つの写真も、同様にレッドブラウンを一回塗りしたもの。
肉眼ではかなり緑がかった色に見えているのですが、写真では撮影時の光の当て方や角度によってかなり色の見え方が変わってしまうので、微妙な色のニュアンスを伝えるのが難しいですね…
まだこの時点では下地の緑がかなり透けているのが分かるでしょうか。
この「透け」を残しながら上塗りを繰り返すことで塗装に味が出るのです。
こちらはパーツの裏側。
完成後に見えてしまう部分は影色で塗りつぶしておきたいので、こういう箇所にもレッドブラウンを塗っておきます。
ここも下地の暗緑色から塗っているので、塗膜が若干緑がかっていますね。
影色はつや消し黒などの単色をベタ塗りで良いという考え方もありますが、管理人としてはメインのカラーリングに合わせた暗色を2~3色程度薄く重ねて塗る方が色味にも変化があって良いと思います。
ヒケを発見…仕方ないので表面処理に戻ります
2色目以降は一回塗りなので、各色ごとにサッと次の塗装色に移りたいところなのですが…何とここでヒケの見落としが発覚しました。
正確には接着剤の揮発が不十分で後からパーツが歪んできたようです。
下の写真のパーツを見てください…
左右のフロント・スカートアーマーです。
左右とも事故した車のように表面に大きな凹みがあるのが分かります。
これより前の途中写真を見ると、このパーツは平滑に処理できていたようなので、時間が経つにつれて後からヒケが出てきたようですね。
そういえば、このパーツは裏のスカスカ部分を埋めるためにプラ板を溶剤系接着剤たっぷりで貼り付けています。
どうやら接着剤の乾燥時間が不十分だったようですね…
このままでは見栄えが悪いので、塗装作業中ですがこの部分だけササッと処理をしてしまうことにしましょう。
当て木をした400番のペーパーで表面を削ったところ。
凹んだ部分が削れずに残っているのでヒケの状態が良く分かりますね。
これは思ったよりも重症でした。笑
ここまで酷いと削りだけで対応するのは難しいのでパテ等での充填が必要です。
今回は口コミの評判が良いので以前から気になっていた、フィニッシャーズのラッカーパテを使ってみます。
このパテは手に入りやすいタミヤのラッカーパテ等とは異なりビンに入っているんですね。
実は管理人、フィニッシャーズの製品って模型誌の記事で名前を見たことはあっても実際に触れるのはこれが初めてだったりします。
秋葉原とかに行けば実店舗で買えるんでしょうか?
現代は何でも通販で手に入るから便利になりましたよね。。。
さて、このパテ。
タミヤやクレオスのチューブに入ったラッカーパテを想像していると面食らいます。
硬化前のパテの粘度がそれらのパテとは全く異なりますね。
写真はビンの中身を爪楊枝ですくい取ってみたところですが、イメージとしてはマーガリンくらいの硬さ。
ビンの中身の半固形状のパテを爪楊枝やヘラ等ですくい取って、充填したい部分に擦り付けるように使うようです。
一応専用のシンナーも発売されているようなので、もっとドロドロの粘度が良い人はお好みで調整して使うのでしょうか。
爪楊枝でパーツのヒケた部分にパテを擦り付けたところ。
緑色のパテというのが何か新鮮ですね。
かなりボソボソしますがプラへの食い付きは中々良いようです。
パテが硬化後にペーパーがけ、更にクレオスのビンサフ(Mr.サーフェイサー1000のビン入りタイプ)を一部筆塗りしてペーパーがけで仕上げた状態。
ラッカーパテの硬化時間は厳密に検証していませんが、体感では3~4時間も乾燥させればもう十分なようでした。
ビンサフを上塗りしてもパテ盛り部分がヒケて来る様子もありませんね。
これはウワサ通り、かなり”使える”予感ですよ。
そして…一つ前のの写真で気づいた方も居たかもしれませんが、今回ヒケの整形作業中に誤ってパーツ上部の凸ディテール部分を傷つけてしまったので、潔く全て削り落とした後に改めてプラ材で作り直しています。
写真は加工作業が終わった状態。
工作の手順としては、以前の「工作編9.「やさしめディテールアップ加工・その3(プラ材を使った改修)」で扱った内容と同じですね。
この後は削りカスを落としたら再び下地の暗緑色から塗り直します。
こちらは2色目のレッドブラウンまでを塗り終わったところ。
ヒケを埋めた部分や作り直した凸ディテールも違和感なく馴染んでいると思います。
このパーツは修正作業はこれで終了です。
ABSパーツも塗っておきます
こちらはアクリジョン ベースグリーンで下塗りをしたABS製の関節(股関節フレーム)パーツ。
ベースグリーンが思っていたよりも明るい青緑(?)という、何とも形容しがたい色だったので…早めにレッドブラウンで塗りつぶしてしまうことにします。
こんなことなら、下塗り色はベースグレーにしておいて後から他の色で色味を加えていった方が良かったかもしれませんね。
希釈したレッドブラウンを筆塗り。
写真右のパーツが一回塗り、左は更にもう一回塗り重ねた二回塗りです。
右の一回塗りでは下地の緑(?)が透けていますが、ベースグリーンの緑が明るすぎるので暗緑色から塗り重ねた場合と違って色味には違和感しかありません…
色味の追加は更なる上塗りに任せることにして、ここはもうレッドブラウンで殆ど全てを塗りつぶしてしまうことにしました。
2回塗り程度でも、ほぼ下地の透けがない程度まで塗れてしまうのはレッドブラウンの隠ぺい力の高さゆえでしょうか。
ちなみに、アクリジョン ベースカラーの上に水性ホビーカラーを上塗りするのはとても塗りやすかったです。
塗膜の割れや溶け出し、上塗り塗料の弾きといった異なる塗料の組み合わせで起こりそうなトラブルも特に感じず、むしろベースカラーの塗膜が粗目のつや消し面になることも手伝ってか、普通のプラ地に塗るよりもかなり塗りやすく感じました。
ベースカラー自体も、ビンの中で顔料と溶剤の分離が激しいため使用時には優に100回以上(!)の攪拌が必要だったり(笑)、希釈しすぎるとうすめ液を使っていてもプラ地に弾かれてしまったり…と、若干のクセはあるものの概ね扱いやすいように思います。
プライマーのスプレーができない水性筆塗りモデラーのABSパーツ対策として、アクリジョン ベースカラーはなかなか使えるマテリアルとなってくれそうですよ。
(あとは取り扱い店舗がもう少し増えれば、、、)
2色目、レッドブラウン 今度こそ終了
ヒケの処理など想定外のトラブルもありましたが、赤い外装パーツを全てレッドブラウンで一回塗りしたものを再び仮組み。
こげ茶色で全身が覆われたように見えますが、これは写真の撮り方が良くないですね。
(光量が足りない?)
角度と照明の状態を変えて取り直した写真。
塗膜はひとつ前の写真と同じ状態ですが、一層目の緑色が透けることで単純なこげ茶にはなっていないことが分るでしょうか。
このような感じで、これから先の重ね塗りも下地の透けを残しつつ塗っていきます。
3色目、ワインレッド(マルーン)
3色目、ワインレッド(マルーン)。
赤が強めに出そうな色ですが、レッドブラウン下地への上塗りではどのように発色するでしょうか。
写真は腰回りのパーツ。
写真の右側がマルーンを上塗りしたもの。
2色目のレッドブラウン以上に茶色を感じさせる色に変化しましたね。
写真では分かりづらいですが、これでもまだ下地の色は透けています。
基本的には一色ごとにパーツ全体を満遍なく塗りつぶしていきますが、この段階からパーツ裏の暗色部分は塗り残すようにしておきます。
パーツがこげ茶と赤で塗り分けられることで、装甲の外と内がイメージできるような感じになってきましたね。
このような塗り分けはフリーハンドでもそれほど難しくはないですが、はみ出した部分があっても最後に修正すれば良いので気楽に塗っていきましょう。
今まで特に触れていませんでしたが、ディテールや細かな凹凸の多いパーツは、入り組んだ部分を先に面相筆で塗り込んでおくとキレイに全体を塗っていくことができます。
写真は足の裏のパーツですが、このようなパーツに薄めに希釈した塗料を平筆で塗っていこうとすると、塗装面で気泡が発生しやすいんですよね。
もし塗面で気泡が発生してしまったら、乾燥する前に筆先で上手く泡を逃がしてやる必要があります。
最悪そのまま乾燥してしまったら、アートナイフプロの曲線刃でピンポイントに泡の塗膜を削り取って面相筆で塗り足しですかね。
やはり失敗の修正は面倒なので、分かり切っているトラブルはなるべく予防をしていきましょう。
ワインレッドで塗ったパーツを仮組み。
光沢色なので全体にツヤが出てきていますね。
だんだんと赤色に近づいてサザビーらしくもなってきました。
この調子で更に重ね塗りしてきます。
ちなみにこの写真、肩パーツの前後を間違えて付けていますね…
(言わなきゃバレないかも?笑)
4色目、あずき色(赤2号)
こんどは「あずき色」です。
ビンのフタの色からは先程のワインレッドとあまり変わらない色のように見えますが、実際にはより明るい赤の塗料です。
今まで同様、各パーツを上塗りしていきましょう。
塗装前後の色の比較。
左側が「あずき色」を塗ったパーツで、右側はワインレッドまでの塗装状態です。
より明るい赤(朱色に近い?)が発色して来ているのが分かるでしょうか。
また、この写真だと各段階でかなり下地を透けさせながら薄めの塗料を塗っていることも読み取れると思います。
黒立ち上げ法で塗装していく場合、明色の上塗りをするときにはパーツのエッジやディテールの周囲を塗り残すようにして強めの陰影を付けるという方法もありますが、今回は各色ごとに全体を塗りつぶすように塗っています。
個人的に、暗色を塗り残していく方法だとコントラストが強すぎてしまうと感じるからなのですが、このあたりの感覚は完全に好みの問題ですね。
これまた全体を組み上げた状態。
パーツ形状やディテールを意識しない全体へのベタ塗りですが、薄く希釈しての1回塗りなので筆ムラによる微妙な陰影が生まれています。
全体的にかなり赤色が発色してきています。
もう一息という感じですね。
5色目、モンザレッド
モンザレッドはHGUCサザビーのキット指定色でもあり、水性ホビーカラーの通常ラインナップの中にある赤系の中でもかなり明るい色となっています。
この色を上塗りした時点である程度完成形がイメージできるくらいの色味になっていれば良いのですが…
とりあえずは、今までと同じく薄塗りで塗膜を重ねて様子を見てみましょう。
塗装前後の比較ですが、ここでは少し大型のパーツで比較をしてみました。
シールド(左)がモンザレッド塗装後で、リア・スカートアーマー(右)が前段階のあずき色までを塗ったものです。
単体で見ると右のあずき色でも十分に赤くなっているように見えるのですが、こうして並べてみるとやはりモンザレッドを上塗りした方は色味が全く変わっていますね。
赤色が一段階明るくなったことで、よりサザビーのイメージに近づいた印象を受けます。
仮組みした全体を見てみると、なかなか良い雰囲気になってきたと思えますね。
フラットベースを入れていないのでツヤが出てしまっていますが、それはこの後で調節しましょう。
ツートーンの赤を塗り足そうとしたが…
サザビーの赤色は、明暗2色が使われたツートーンが指定色です。
今までは特に気にせず全体を同じ色で塗ってきたので、明るい赤のパーツはここから更に塗り足しをしてみました。
明るい赤で塗り足す必要があるパーツの一覧です。
頭・肩・胴・足首など、全身の各部に少しずつ配置されていますね。
とりあえずは、もう一段階明るい色を上塗りして様子を見ることにします。
ここではシャインレッドを用意しました。
写真は左のパーツがシャインレッドを塗り足したもの。
右側は5色目の塗装そのままですね。
見比べてみると…差が全く分かりません…
暗色のトーンが強く残っている下地に邪魔されて上塗りの色が発色していない可能性があるので、明色を間に挟むことにします。
今回使ってみたのは水性ガンダムカラーのシャア専用機ピンクです。
別にシャア専用じゃなくても良いのですが、たまたま手元にあったので、、、
塗料皿に中身を取り出して希釈しているところ。
右側の肌色がかったピンク(?)がこの色ですね。
こちらは積みプラ中(笑)のシャア専用ザク(REVIVE)の色指定。
この色は、ピンク50% + シャインレッド 40% + イエロー 10% を混ぜて作るようです。
純粋なピンクとはかなり異なるようですね、、、
パーツに塗ってみると、この色は一度塗りでもかなり下地を覆ってしまいます。
白や黒が入っている色はやはり隠蔽力が高いです。
そして、シャア専用ピンクの上から、今度は5色目に使ったモンザレッドをもう一度塗り重ねてみます。
鮮やかさは上がったように思えますが、なんだかイメージしていた色と違ってオレンジが強いですね、、、
計画では、赤が強く発色したモンザレッドの上からシャインレッドを重ねて色味を調整しようと思っていたのですが、これではちょっと話が違ってきます。
シャインレッドで色がオレンジっぽくなるならまだ分かるんですけどね。
どうやら、モンザレッド自体がかなりオレンジよりに調整された塗料のようです。
ともかく、もういちど全体を仮組みして様子を見てみましょうか。
塗り足した部分、やはりオレンジが強く出ていてとても違和感があります。
それと色味の問題もありますが、シャア専用ピンクを塗った時に黒立ち上げの陰影をかなり塗りつぶしてしまった部分があり、結果として塗り足し部分の彩度が高くなりすぎて「色が前に出てきすぎている(他の部分から浮いている)」のも問題です。
これはちょっと計画を誤った感じがありますね、、、
とりあえず、オレンジになってしまったパーツの色を一旦落ち着かせてみることにしましょう。
後から彩度と落とす方向に調節するには上からグレーを薄く重ねるという方法があります。
今回は手元にあったRLM74 グレーグリーンを使ってみることにしました。
希釈率は3倍より少し薄いくらいで、かなり薄めに調整してウォッシング風味にグレーを全体に重ねます。
右側がグレーを塗ったパーツですが、全体が曇った感じになり彩度が落ちたことで色が落ち着きましたね。
オレンジになってしまったパーツは、グレーの上掛けによって色が曇り、また彩度が落ちたことで色の自己主張が弱くなりました。
オレンジが色として前に出て来過ぎている状態では違和感がありましたが、とりあえずはこれで全体の色味が少し馴染んだ感じがします。
ところで、キット指定色のはずのモンザレッドで塗装面がオレンジになってしまったのがどうにも解せないので、ここでちょっと色を比べてみることにしました。
手元にリニューアル前の水性ホビーカラーのモンザレッドがあったので、現行品との色比べです。
旧版はグンゼ産業時代のラベルなので20年以上前のものでしょうか?
左から「新版・レッド(赤)」「旧版・モンザレッド」「新版・モンザレッド」「新版・シャインレッド(朱色)」です。
写真では色が伝わりづらい部分があるかもしれませんが、裏から見たビンの中身です。
旧版のモンザレッドは純粋な赤に近く、新版のモンザレッドはオレンジというか印鑑の朱肉みたいな色ですね。
「(朱色)」と但し書きが付いているシャインレッドとの差が殆ど分かりません。
そういえば、水性ホビーカラーが新版に切り替わったのは2018年、HGUCサザビーの発売は2008年ですから…もしかしたらキット指定色のモンザレッドというのは旧版のことで、新版でいえば3番レッドの方が色が近いのかもしれませんね。
これは気が付きませんでした…
ということでの6色目、レッド(赤)
ということで、塗装計画の変更です。
全体に「レッド(赤)」塗り重ねて、パーツの色味をオレンジ系から純粋な赤に近づけ、違和感を軽減することにします。
「レッド(赤)」を上塗りすることでサザビーのイメージに近い赤になってくれるはず、、、
左側がレッド(赤)を塗り重ねたパーツ。
右側の前段階のパーツと比べると、塗装面の色からオレンジっぽさが減った感じがします。
今回はタミヤアクリルのフラットベースを添加して強めのつや消しにしているので、色の変化以上に印象が変わって見えますね。
塗料皿に残った色(左)との比較。
下地を活かしての薄塗りなので、ここでもやはり塗料の色そのままでは発色していませんが、一塗りごとに少しずつ色味は変化しています。
前回を仮組みして様子を見ます。
前段階と比べると、オレンジ色の浮いた感じはなくなり全体が赤系統の色で馴染んだ印象になりましたね。
グレーを塗り足したパーツも特に違和感なくまとまっています。
同じ状態で、撮影方法を変えてもう一枚。
サザビーのイメージに近い、純粋な赤に近い色が発色してきているのが分かるでしょうか。
今回は最後に更に赤でドライブラシをして全体を馴染ませる予定なので、メインの赤の塗装としてはここまでできれば終了で良いと思います。
あとは、ツートーンの赤をどうするかなのですが…
色々と考えた結果、今回これ以上の塗り足しはせずに、ここで赤系統の基本塗装は一区切りとすることにしました。
今回、途中でオレンジになってしまった塗装色の修正などを行う過程で予定以上の塗り足しをしているので、ここまででも重ね塗りの回数がかなり多くなってしまっているんですよね。(最も多い部分で14~15層程度の重ね塗り…!)
一回一回の塗膜はごくごく薄く…を心がけてはいるのですが、仮にこれ以上の塗り重ねで塗膜がボテッと厚ぼったくなってしまうようなことがあると一気に見栄えが悪くなるので、ここは程々で撤退…という判断です。
仮に、どうしてもこれ以上の色味の変化が欲しければドライブラシの段階でも微調整はできますからね。
何とか形にまとまったこの状態を基本に、今回は仕上げに入っていきたいと思います。
おしまい
今回見ていったような「黒立ち上げ」法、技法としてはかなり古くからあるもので、元々はスケールモデルの塗装法だったものがアニメモデルに輸入され、発展していったという経緯のようです。
このような塗装法では、上塗りの明色を塗っていく時にエッジやディテールの周囲を少し塗り残し、暗色を残しつつグラデーションをかけて塗り上げていく方法が一般的です。
そう言った意味では、今回のような、全体をベタ塗りで塗りつぶしながら明色を発色させていく塗り方は、広く知られた黒立ち上げ塗装法のセオリーからは少し外れているのかもしれません。
ハッキリとしたグラデーション塗装は写真写りこそ良いのですが、場合によっては少々クドく感じてしまうことがあるため個人的には苦手な表現で、現在の管理人なりの塗装法としては今回のような塗り方に落ち着いている…というところです。
なので、今回の完成品は見る人によっては「黒立ち上げの割にはあっさりし過ぎている」…と感じるかもしれませんね。
一応、この後に軽くハイライトとシャドウを描き込んでいくので、上の写真の状態よりは若干クドく仕上がる予定です…(笑)
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