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海洋堂 1/35 三式光武「ランナー紹介・素組みレビュー」

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PlayStation4用ゲームソフト「新サクラ大戦」より、海洋堂の1/35 三式光武です。
サクラ大戦の関連プラモデルは過去にはWAVEから、また新サクラ大戦のマルチメディア展開の一環としてバンダイからもHGレーベルで発売されたものがあります。
そして海洋堂からは1/35と小スケールながらも三式光武と無限がラインナップ。
特に三式光武は現状唯一のプラキット化となっており、貴重な貴重な立体化です。

光武といえば、管理人は過去にWAVEの1/24キットをきちんと完成させられなかった経験があるので、今回はリベンジの意味も込めて海洋堂のキットに挑戦してみることにしました。
ちなみに、管理人は「新」のゲームは未プレイです。

(旧サクラ大戦シリーズはセガサターンの初代からPS2のVまでプレイ済み…というか、特にドリームキャスト時代にはドハマりしてました笑)

今回はランナー等のキット構成と、素組みした状態を見ていこうと思います。

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こちらは外箱の側面。
見本として掲載されているのは塗装済完成品ではなく、未塗装の素組み!
このキットは単色成型、可動部はポリキャップ未使用のプラの弾力に頼った関節という、ガンプラで言えば旧キット相当の構成なので、購入前に内容を確認するのにはこの方が良いのかもしれませんね。

ランナー紹介

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キットの内容物一覧です。
ランナーが4枚と水転写式のデカール、それにインストが一冊ですね。
1/35というスケールは想像以上に小スケールで、パーツの一つ一つも細かい印象です。

各ランナーにはA・B…などという区分けは無く、1番から順番に振られたパーツ番号が全てのランナーに跨って存在しています。
またパーツ番号の順にランナーが構成されている訳ではなく、一つのランナーにバラバラの番号のパーツが存在しているので、組み立て時にパーツを探すのが少しスムーズではないかもしれませんね。
とはいえ、パーツ点数もそれ程多くなく手足や胴体は比較的大きなパーツ割りで構成されているため、制作に困るほどではありません。

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ランナーその1。(ランナー番号は便宜上のものです)
動力パイプやマフラーなど、本体に後から取り付ける細かなパーツが多いです。
装備武器の太刀は3パーツ構成となっていてディテールも細かいですね。
鞘はさすがにモナカ分割ですが、このキットで合わせ目消しが必要なのはここだけとなっています。

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ランナーその2。
手足の装甲や手首、足首などが中心です。

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ランナーその3。
ランナー全体は比較的大きめですが、パーツ自体は小さいです。
手足のパーツが中心ですが、上腕・前腕・大腿といった部分がそれぞれ1パーツで構成されているため、合わせ目が出ない設計となっています。

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ランナーその4。
こちらも比較的大きなランナー。
胴体のパーツと下腿ですが、やはり下腿は1パーツ構成で合わせ目なし。
胴体も比較的大きなパーツ割で組み立てはスムーズに進められそうです。

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水転写式のデカール。
左肩の桜マークと、胴体の白ラインを補うものですね。
キットのユーザー層を考えれば、シールではなく水転写式デカールなのは妥当だと思います。

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インストは三つ折りで2ページのみカラー印刷。
塗装参考図やデカールの貼り付け指示もありますね。

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裏面は組み立て図のみ。
胴体や手足は大まかなパーツ割が多いので、組み立て工程もそれ程長くはありません。

素組みレビュー

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パーツを一通り組み立ててみました。
基本的には接着剤不使用のキットなのですが、一部パーツの差し込み精度がやや甘く、受け側の穴を削らないと部品が入らないことがあったり、また逆に緩い部分は接着を前提で考える必要があったりと、作り手側にも現物合わせで多少の加工を求める内容となっています。

最低限、ピンバイスくらいは持っていないと仮組みすら困難と思われるため、近年のガンプラ等に代表される親切設計のキットしか組んだことのないライトなモデラーさんは、それなりの覚悟をして取り組む必要があるかもしれません。

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今回は頭頂部の小パーツ(写真右)はランナーから切り取らず、塗装後に取り付けることによって作業を行いやすくしています。
また、足裏にフタをするパーツも一度取り付けると外せなくなるため仮組み状態では付けていません。
それ以外のパーツは全て組み立てた状態ですが、一部固定が甘い箇所があるため、この写真でもマスキングテープの細切りで仮止めしているパーツがあります。

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と、先にマイナス面から入ってしまいましたが、パーツの合い自体に大きな問題はなく、造形そのものはなかなか良いと思います。
複雑な曲面で構成された光武のシルエットを良く再現できていますね。
素直にカッコ良いと思える造形です。

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太刀を抜刀!
武装の太刀は一応、手に持たせることはできますが、指は非可動なので実際には引っかけているだけです。
しっかりと持たせたい場合は接着してしまうか手首周りの改造が必要になりますね。
今回のように、一時的にそれっぽい写真を撮りたいだけならそのままでも良いかと(笑)。

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全高は7cm弱、メーカー公式では約68mmということです。
水性ホビーカラーのビンと比べると、その小ささがイメージできるでしょうか?

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小さいながらも各部のモールドは良く入っています。
凹モールドやスジ彫りがやや甘かったり、リベットの凸モールドに一部歪みがありますが、これはサイズ的に、またインジェクションキットの宿命としてある程度は仕方がない部分でしょう。
こだわり派のモデラーさんはこの辺りに少し手を入れてあげると、より良いものになりそうですね。
また合わせ目がないことと引き換えに胴体や手足のパーツ中央には目立つパーティングラインが出ているので、これは基本工作としてしっかり処理をしておきたいところ。

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こちらは肩アーマーのアップ。
本来丸形であるリベットがイチゴの種のような形状になっているのが分かるでしょうか。
金型の都合上、プラモデルでは凸モールドを再現するのにはどうしても限界があります。
光武は全身に渡ってかなりの数のリベットが打たれているので、このような歪んだモールドをどうするかは考えどころ。
リベットの修正を行うとすると制作にかかる手間と難度が跳ね上がってしまうので、完成することを優先させるなら、無理にこういう部分をいじらないのも一つの考え方だとは思います。

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足の裏はモールドの入ったパーツでフタをするようになっています。
基本的に、外から見える部分に肉抜きはありません。
基本的な表面処理をしっかりとこなしてやれば、とりあえず過不足のない仕上がりにはなりそうです。

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小スケールながら太刀は3パーツで構成。
鍔にも穴が開いていて非常に細かな造形です。
モナカ割りの鞘はこのキットで唯一の合わせ目消しが必要な部分。

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可動部の構造も見ていきましょう。
こちらは胴体前面の、光武の顔にあたる部分。
二個装備のカメラアイが左右に可動します。
パーツの表側から胴体のスリットにカメラアイを差し込んで、裏からストッパーのパーツを取り付けることで抜けないように固定します。

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カメラアイを取り付けた状態。
胴体側のスリットは向こう側が見えてしまいますが、実際にはパーツの裏側に暗色を塗っておけば違和感はないと思います。

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手足の関節の構造。
ポリキャップを使用しない、プラの弾力のみでパーツを保持する差し込み式の関節です。
ガンプラ旧キットのような挟み込み式の箇所はなく後ハメ加工の必要がないパーツ構成となっています。

とはいえこのようなプラパーツのみの関節、特にボールジョイントはパーツにかかる負荷が大きいため、破損に気を付ける必要があります。
可動は基本的に、姿勢の微調整が可能な程度と割り切り、あまり大きく動かすような動作を繰り返さない方が良いでしょう。
頻繁なパーツの付け外しも危険です。
(実際、管理人はこの写真を撮影後に左肩のアーマーを接続するボールジョイントを破損してしまいました。)

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胴体側の関節を受ける部分。
肩関節は腕側の軸を差し込んで回転方向の可動が可能な穴型の受けで、股関節はプラパーツによるボールジョイントです。
股関節のはめ込みはかなりきつめなので破損が心配ですが、逆に言えば保持力は充分過ぎるほどあります。

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腕の可動範囲。
肩と肘が軸により可動しますが、範囲はあまり大きくありません。
腕単体でも写真の角度が限界ですし、実際には胴体側のパーツと干渉するので可動は更に制限されます。
手首部分は差し込みの軸によって手首自体の回転ができるだけで指は固定となっています。
肩アーマーの接続も一応ボールジョイントですが、角度が若干微調整できるだけなので、腕を可動させるとつられて下がり肩になってしまいます。

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なお、肘関節には可動のための切り欠きがありますが、それ程違和感はありません。

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同様に、脚の可動範囲を。
脚パーツ単体では写真の状態くらいまで膝を曲げることができますが、ここもやはりというか実際は他パーツとの干渉によって可動範囲は大きく制限されます。
足首はボールジョイントですが、可動範囲はほぼゼロだと思った方が良いでしょう。

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膝関節は球体状のデザイン。
見た目は悪くありません。

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可動範囲についてはかなり厳しいものがあるため、パッケージにも採用されているキービジュアルのような、太刀を抜刀して見栄を切るポーズを再現するのは不可能なのですが、何とか近いポーズを取ってみました。
ただし、この写真では肩と腰周りの装甲を取り外し、更に肩アーマーの接続軸が胴体と干渉するために肩関節を上下反転させています。
それで何とかこれくらいのポーズ付けが可能といったところですね。

本格的に抜刀ポーズを再現するなら、肩と腰の装甲の接続方法を変更し、また下半身はアルミ線接続などで固定として関節部分は新造、さらに角度を付けて太刀を持てるように手首の指部分も改造する…といったような割と全身に渡る改造が必要になると思います。
光武はデザイン的にも可動の制約が大きいメカで、またこのキットはかなりの小スケールということもあって無理はさせられず。
ポージングは素立ちを基本として、光武の造形そのものを楽しむということを主にする方が、このキットとの付き合い方としては良いのかもしれません。

おしまい

単色成型でプラパーツによる関節と、今のガンプラの基準で考えると躊躇してしまう内容のキットかもしれませんが、基本的な造形は良いために塗装前提の素材として考えると決して出来の悪いキットという訳ではありません。
本体は合わせ目消しが要らないパーツ構成、関節も可動範囲は狭いながらも「挟み込み」式ではなく「差し込み」式のために後ハメ加工も不要と、見るべき点はあります。

最低限ゲートと、できればパーティングラインの処理くらいまでができれば、あとは部分塗装で足りない色を入れてあげるだけでもかなり雰囲気は良くなりそうですね。
今回管理人は「完成させる」ことを第一目標としながらも、基礎工作と全塗装でキットの素性の良さを引き出す作例を目指してみました。

まずは工作編から。
順番が前後しますが、最初は仮組みが完了するまでに注意したいポイントから解説していきます。

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HGUC 088 1/144 MSN-04「サザビー」素組みレビュー

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HGUCで発売中のサザビーです。
ネオ・ジオン総帥となった”赤い彗星”シャア・アズナブルの専用機にして最後の搭乗機、カラーリングはもちろん全身赤!
ここでは特別な工作や塗装などの手を加えない「素組み」の状態を見ていきます。

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本体立ちポーズ

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まずは素立ちをフル装備で。
HGUC版は設定画より細身に見えるアレンジですね。
各部のディテールもアニメ劇中の印象に近い比較的シンプルなものになっています。

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武装類を外した本体のみの立ち姿。
装備がないとより細身アレンジの印象が強まりますね。
好みの問題もあるとは思いますが、普通に「カッコイイ」と言えるデザインではないでしょうか。

武器、手首など付属品

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付属の手首は4種類。
右のライフル持ち手、左の平手、それに左右それぞれのビーム・サーベル握り手となっています。
穴の開いていない握り拳はありません・・・
武器の付け外しのためには手首を一旦バラさなければいけませんが、ABS製となっているのでパーツ自体に”粘り”のような感触があり、特に加工しなくても分解・組み立てはスムーズに行えます。

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武装類です。
ビーム・ショット・ライフルにシールド、格闘用装備としてビーム・トマホークとビーム・サーベルが2本。
それに遠隔攻撃端末のファンネル6基です。
ビーム・トマホークの柄は設定では伸縮できますが、キットでは伸ばした状態で固定されていて可動しません。
ビーム・サーベルも設定では手首に収納されているのですが、手首側は固定のモールドとなっていて取り外し不可。
このあたりはHGUCということで割り切りですね。
ファンネルは展開状態と収納状態でそれぞれ付属、収納状態のものはは3基で1パーツとなっています。
展開状態のものも1パーツで構成されていて可動部分はありません。

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格闘用ビーム兵器に装着するビーム刃のエフェクトパーツです。
クリアーイエローの成型色で形状も凝っていますね。
ビーム・サーベル2本分とビーム・トマホーク用の斧型ビーム刃が片刃分と大型ビーム・サーベルです。

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ビーム刃のエフェクトパーツを格闘武器の柄に装着した状態。
ビーム・サーベルは固定部分が小さいからか、ややキツ目になっていますがその分ぐらつきもなし。
ビーム・トマホークは取り付け、取り外しともスムーズです。

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ビーム・トマホークの斧型ビーム刃は片刃分のみ付属。
もっとも「逆襲のシャア」劇中ではこの形態で使用する場面はありませんが・・・

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手持ち武器にはグリップに固定用の穴が開いていて、手首の内側にある突起と噛み合わさることでガッチリ固定できます。

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左右の持ち手を使って劇中のようなサーベル二刀流も再現。

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ただし手首にある収納状態のサーベルは装甲パーツと一体になっているので取り外しできません・・・

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ビーム・トマホーク(大型ビーム・サーベル)を装備。
かなりの長さなので迫力があります!

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続いてシールドです。
裏には小型ミサイル(3基)とビーム・トマホークの柄を収納することができます。

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シールドはアタッチメントのパーツを介して前腕に取り付けます。

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左右どちらの腕にも装備可能。
が、ライフルの持ち手が右しかないのでシールドは左腕に装備するのが自然だと思います。

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ビーム・ショット・ライフルと右の銃持ち手。
サーベル同様、ライフルのグリップと持ち手に固定用の凹凸があるので保持力は高いです。

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ファンネルは背部ランドセルに接続されたコンテナに格納。
射出時の状態として、コンテナ上部を展開することができます。

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ファンネルコンテナの内側にはそれらしくモールドが造形されています。

可動範囲

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ここからは可動範囲を見ていきます。
手足を広げられるのはギリギリ「大の字」が取れるくらいまで・・・デザインの制約もありそこまで大きくは動かせないですね。
首は二重関節で大きく上を向くことができます。(が、スカスカの内部が丸見えに・・・笑)

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肘は90度くらいまで曲がります。

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膝の稼働も約90度まで。
しかし腰回りの装甲と干渉するため脚については実際の可動範囲よりも厳しめです。

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脚を単体で。
干渉する装甲がなければ、膝はここまで曲がります。

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ランドセルに接続されるファンネルコンテナとプロペラントタンク、右側を外したところ。
ファンネルコンテナは1軸のポリキャップ、プロペラントタンクはボールジョイントで接続されます。
あまり目立つところではありませんが、ここはコンテナ接続部のポリキャップが丸見えです。
また、プロペラントタンクはあまり大きく動かないのでポージングの際の微調整ができる程度でしょう。

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頭部は上部の装甲を外すことでモノアイを左右に動かすことができます。
(ここはややポロリしやすい印象です・・・笑)
また、上部に二本付いている細い角のような部分は他のパーツより柔らかいプラで成型されています。
折れにくくするための配慮かもしれませんね。

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肩関節は胴体内部に引き出し式の関節ブロックが入るので多少前に出すことができます。
関節パーツは1パーツ構成なので裏は肉抜きのようになっています・・・

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上半身と下半身はボールジョイントで接続され、腰の部分で捻りを加えることもできます。

各部ディテール

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つづいて各部ディテールなどを見ていきます。
写真は両足を外した胴体を下から見たところ・・・スカートアーマーの内側です。
リア(上の画像で下側)は裏側にもフタのパーツがあるのでボリューム感がありますね。
サイドのアーマー内側にはバーニアが仕込まれています。
フロントは一応パーツ裏にモールドが造形されているものの、ペラペラの1パーツなので「(悪い意味で)プラモデルらしい」部分となってしまっています。
このあたりはHGUCシリーズの限界とも言えますが・・・

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股下中央は別パーツとなっていて外すことができ、中にはスタンド接続用のポリキャップが仕込まれています。

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太モモの内側と足首の裏です。
ここにも装甲裏側にバーニア、4基も仕込まれています。
足裏にもしっかりとモールドが入っていますね。
カカト部分に穴がありますが、肉抜きなのか「そういうデザイン」なのか判断がつきません。
特に埋めなくても良さそうな形状ではあります。

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ヒザ裏にもフタをするパーツが入るので1/144のガンプラでよくあるスカスカ状態にはなりません。
素組みでここまでになるのは素直に凄いと感じますね。

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肩アーマーも内側にフタのパーツが入るのでスカスカにはならないようになっています。
装甲としての厚みも表現されているような形状になっていますね。

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よく色分けされたキットですが、細かく色が足りない部分はあります。
リアのスカートアーマー側面の小型バーニアと後面のダクトなどは黄色が設定色です。
一体成型の小型バーニアはモールドが甘いので、一手間かけて彫り込んでおきたいところ。

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ランドセル内蔵のバーニアも黒一色なので設定通りに塗り分けるなら内側は黄色になります。

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フロントのスカートアーマー下部についているノズルや胸の左右下面にあるスリットなどは、成型の都合で歪みがある部分です。
こういうところに手を入れるとグッと見栄えがよくなりそうですね。

合わせ目について

ここまで見てきたこのHGUCサザビー、驚くべきことに本体に消す必要のある合わせ目がありません(!)。
唯一、ライフルは所謂モナカ構造なのでさすがに処理の必要がありますが、それもディテールを避けるように分割線が設定されているという至れり尽くせりぶり。

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大型の機体で表面積が大きいので、表面処理の手間が少なくて済むのは助かりますね。
塗装を楽しむのにも最適なキットと言えそうです。

おしまい

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ここまで見てきたHGUCサザビー、人気の高い機体のキットらしく非常に練られた内容と感じました。
大型の機体ながら程よいパーツ分割でサクサク組みあがりますし、合わせ目の処理が必要のないパーツ分割など工作のストレスも最小限で済みそうです。
関節部にABSパーツが多用されているので加工しづらい点があるのと、若干スリムアレンジな体形は好みが分かれそうですが、総じて満足度の高いガンプラと言えますね。

当ブログでは基本工作+筆塗り全塗装で作例制作もしていますので、そちらも参考にしてみて下さい。

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ENTRY GRADE 1/144 RX-78-2 ガンダム (ライトパッケージVer.) 素組みレビュー

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新ブランド・エントリーグレードから発売になった初代ガンダム。
エントリーグレード自体は2020年の前半から、いくつかの製品が発売になっていたようですね。
これまでは仮面ライダーやウルトラマンなどのキャラクターでしたが、満を持してガンダムの登場!
ということで、今回は仮組みしたキットを使ってその素性を見ていきたいと思います。

ランナーの紹介は以前の記事にて…!

また、今回から撮影には「自作グラデーションペーパー」を使ってみました。
詳細は以下の記事で。

素立ち

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まずは本体から…って、武器などの付属品はないのでキット内容はこれだけで全てです!
過度なスジボリもなく、アニメ劇中のようなシンプルな印象でまとまっていますね。
ほとんどの合わせ目もデザインの一部に見えるよう、うまく配置されています。
可動重視のためか、関節部の切り欠きはやや気になりますが、その分可動範囲は非常に大きいです。(後述します)
体形としては、このままで十分カッコイイですね。

可動範囲、関節について

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可動範囲について、まず腕から見ていきます。
肘の可動は90度以上、また肩の可動軸により脇を締めることも可能。
肩関節を真上に上げることができるので、ビームライフルがあれば「ラストシューティング」のポーズも取ることができますね。

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腕を真上に上げたところを横から。
肩関節には可動のための大きな切り欠きが見えます。
また肩ブロックにはボールジョイントがそのまま見えてしまっていますね。
このあたりはキットの値段なり、でしょうか。

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上腕は肩との接続部で回転できるので、腕をねじるような動きもできます。

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首はボールジョイント接続。
ここまで上を向くことができます。

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首は360度回転可能。
横向きにするときは少し頭を後ろに反らせ気味になります。

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腰もボールジョイント接続で360度の回転ができます。

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胴体にボールジョイントの多重関節が仕込まれているので、このようにうつむき加減のポーズも。

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ただし前にかがんだ状態を後ろから見ると、このようにスキマが…(笑)
見ての通り胴体内部はスカスカでコアファイターもありません。

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脚の付け根は普通のボールジョイントです。
腰回りの装甲は、前側が左右が繋がった状態で前に少し開きます。
左右はボールジョイント接続、後ろ側は固定されていて動きません。

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足首もボールジョイント接続。
前方向へはここまで曲がります。

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同じ姿勢を後ろから。
最大まで可動範囲を取るとやはりスキマが目立ちます。
腰の下にはスタンド接続用と思われる3mm径の穴が見えますね。

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膝も90度以上曲がるので、ここまで上体を反らせることができます。

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脚の可動範囲を活かして正座もできます。(笑)

武器など付属品

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付属する武器は本体に装着されているビームサーベル2本のみ。
手首も左右それぞれ1種類のみで穴なしの握り手や平手などは付属しません。

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左右それぞれのビームサーベルを手に持たせることができます。
ビーム刃はないので柄のみです。
ビーム刃を取り付けられそうな穴が開いているので、他のキットからクリアーパーツのビーム刃を流用してみると良いかもしれません。

特徴的なパーツ分割

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このENTRY GRADEではパーツ構成が特徴的なものとなっていますので少し紹介。
写真のランドセルはバーニアまで込みで1パーツという驚きの構成。
バーニアの裏にはデザイン上不要な板が付いていたりしますが、組み立ては非常に簡略化されています。

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頭部のパーツ分割もヘルメットは写真の状態で1パーツなので合わせ目なども当然ありません。
側面にパーティングラインは出ますが、処理もそれほど難しくないと思います。
HGUCなどと同様、V字のアンテナ先端には安全のためのフラッグが付きます。

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頭部のアップ。
特徴的なのが「カメラアイの黒い輪郭を、パーツ同士のクリアランスにできる影で表現。」(公式HPより)という部分です。
カメラアイの周りは彫りが深くなるように設計されており、自然にできる陰で黒っぽく見えるようになっています。
前情報を聞いたときは、本当にそんなことが…!?という感じでしたが、実際本当にそれっぽく見えるから凄い。
管理人的にはこのキットで一番驚いたポイントです。

合わせ目チェック

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合わせ目もほとんどがデザイン的に処理されているので、基本工作をして仕上げる場合も合わせ目消しが必要な箇所はほとんどありません。
と、言うか一か所だけです。(笑)
脚のスネとふくらはぎ部分、あからさまな合わせ目はここだけ!素晴らしい!
形状も単純なので工作の難易度も高くないでしょう。

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その他の合わせ目はスジボリに見えるようになっていて目立ちません。
太ももの合わせ目は矢印部分ですが、そのままでも違和感はありませんね。

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胴体では矢印の部分に合わせ目が。
ここもそれほど違和感なくデザインの一部になっていると思います。
特にこだわりがなければそのままでも良いかと。

肉抜きチェック

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各部の肉抜きについて見ていきます。
上半身では引き出した肩関節に抜きが見えます。
あまり目立つ部分ではありませんし、デザインと割り切れば気にならないかもしれません。
また肉抜きではありませんが、腕にはシールドを取り付けられそうな穴が開いていますね。
武器の付属しないこのキットでは意味のないものになってしまっています。

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膝裏にも肉抜きがあります。
膝を曲げた時に見えてしまいますね。
また肉抜きではありませんが、各部の装甲裏にも基本的にモールドの類はありません。

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そして恐らく一番目立つのがココ。
足裏のつま先側に大きめの肉抜きが!
立っている状態では見えませんが、いろいろ動かしていると気になるポイントだと思います。

ポーズを取らせてみる

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少し動かして遊んでみます。
写真は「ガンダム、大地に立つ!」…前に、トレーラーから起き上がるシーン…のイメージ。
ガンダム本体は手近にあったエポパテの箱に乗せてみました。(笑)
こんなポーズでも足首もばっちり接地します。

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公式HPにも載っている、背中のビームサーベルに手をかけるポーズ。
腕の可動範囲はこれでギリギリですが、サーベルの上端にもなんとか手が届きます。

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ビームサーベル抜刀!
ということで、両手でビームサーベルを構えることができます。
ポーズ付けの自由度は非常に高いですね。

安くて組みやすい新しいガンプラ

”次世代のファーストガンプラ”誕生!というキャッチコピー(公式HPより)通り、ENTRY GRADEはこれまでのガンプラとは違うアプローチで作られた製品のようです。
パーツ点数も少なく抑えられており組み立ても簡単、パーツ同士の隙間はやや気になるものの非常に広い可動範囲を確保、しかもポリキャップレス。
これならプラモデルを作るのがはじめて…という人でもまず素組みまで完成させることができるでしょう。
一方、モデラー目線でも非常に取り組みやすいキットだと感じます。
新ブランド「ENTRY GRADE」という名前やニッパー不要のタッチゲートなど、今までのプラモデルから見ると未知の要素が大きいですが、その実スナップフィット・多色成型の1/144ガンプラということに変わりはありません。
基本工作を行う場合でも後ハメ加工すら不要というユーザーフレンドリーさ。
多少のアラには目をつぶり、塗装をして仕上げるだけでも楽しいモデラー体験ができそうです。
この次世代のファーストガンプラ、ぜひ体感してみてください…!

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