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各部の改修を経て、工作の工程が終了した三式光武。
ここまで来ればあとは塗装を残すのみ…!
工作編のまとめとして、ここでは再度の仮組みを通して各部の振り返りをしていきたいと思います。
素組みとの比較
キットのまま(素組み)と、工作完了した状態の比較。
小スケールながらもディテールは良く入っているキットですが、リベットやスジ彫りといったモールドの甘い部分を修正したことで各部が引き締まり、メリハリがついた印象ですね。
また、足首に可動軸を追加したことで接地性が向上し、立ちポーズにも安心感が感じられるようになりました。
右手首の指の角度を変更したことで、抜刀し太刀を構えるポーズもより自然に取れるように。
キービジュアルのような見得を切るポーズは取れませんが、これはこれで様になっているように思えます。
細かな部分
細かな部分も簡単におさらいをしていきます。
まず、今回工作の初手として念入りに処理したのはパーティングライン。
特に胴体中央、光武の『顔』に相当するパーツには真正面に目立つパーティングラインが入っているので、優先的に処理をしておきたいところ。
キットのスジ彫りは設定と比べるとかなり省略されているようですが、それでもスケール感を考えると不足を感じないレベルで良く入っています。
曲面主体のデザインである光武の辛いところで、部分的に彫りが浅くなっていたり、またモールド断面が斜めになっていたり…と、インジェクションキットの仕様と言える限界はどうしてもあるので、修正して彫り直しておくだけでも印象が良くなりますね。
また、塗り分けの境目になることが分かっている逆エッジは、あらかじめニードルなどで軽く彫りを入れておくと塗装の段階で少し楽ができますよ。
凹ディテールはスジ彫りに比べるとピンポイントで配置されていますが、やはり浅く歪んでいるものが多いので、彫り直しておくと良いですね。
彫り直しに必要となる0.3mm等の極小ノミは、持っていなければこの機会に揃えてしまっても良いかと思います。
腰アーマーのダクトは管理人が新規導入したウワサの超性能工具、BMCタガネで彫り込んでみました。
こういう部分をシャープに加工しておくと全体もより引き締まる感じがしますね。
凸ディテールも歪んでいる部分が多いですが、特に目立つのはやはり顔パーツ。
前頭部の突起は作り直しておくと効果が高いと思います。
あとは、全身のリベットをどうするかですが…
今回はヒートペンを使って無限にリベットを作ることができたので(ほぼ)全身のリベット貼り替えが実現しましたが、市販パーツのR・リベット等を使うとなると…数が多すぎて現実的ではないですよね。
管理人としては、サクラ好きのモデラーには是非ともヒートペン(と、オプションビット)の入手を勧めておきます。
過去のサクラ大戦系の雑誌作例を見ていると、リベットの貼り替えはプロでも省略する場合があるようなので、ヒートペンが入手できない場合は無理に手を入れる箇所でもないのかもしれません。
胴体正面パーツの、キットのまま(ゲートカットのみ)とディティールアップ改修後の比較。
やはりキットそのままではパーツの正面中央で段差になっているパーティングラインが一番目立つポイントでしょうか。
その他のディテールアップも一つ一つは地味ですが、細かな作業の積み重ねが確実に完成度を高めてくれます。
手首と持ち手。
指の角度を変更する改造はポーズ付けに有効ですが、どうしても強度が犠牲になるので良く考えてから行った方が良いかもしれません。
装備武器の太刀はパーツとしても軽いので、例えばガンプラにおける長物の銃火器のように、武器の重さで手首に負担をかけることはありませんが、万が一破損した場合はかなり細かな部分なので修正は面倒です。
そして、手首に付いているナックルガードのようなパーツ。
管理人としては、ここの改造はお勧めしません…!(汗)
細かすぎるのでパーツ自作の難度が高く、その上がんばって改造したとしてもそれほど目立つ部分でもないような気がしますね…
今回は安易に手を出して大変な目に合いました。(笑)
左右ナックルガードの作り直しと、それに付随する手首の修正だけで、実に10時間以上の時間を浪費しています。
(時間がかかるのは管理人の経験や技量の問題もありますが)
挑戦するには覚悟を持って臨む必要がありますね…!
このキットでは関節部の修正や改修はもはや必然との覚悟をしておいた方が良いかもしれません。
よほど気を付けていない限り(気を付けていたとしても)、制作の中でどこかしらの関節は破損することになるでしょう。
管理人は肩アーマーと膝関節だけの被害で済みましたが、肩関節も膝と同様の構造のため危険です。
また肘関節のボールジョイントも受け側に微細なクラックが入っていたので、実は内心ヒヤヒヤしていました。
アルミ線接続による補修は比較的簡単にできるものですが、できることなら破損は避けたいものですよね。
足首にはアルミ線による横ロール可動を仕込みましたが、パーツが無垢だったので切断や加工は少し大変でしたね。
(このキット、腕や足などもプラの無垢で成型されている部分が多いようです。)
また、破損の補修による副次的な効果ですが、肩アーマーもアルミ線接続に改造した影響で、腕を可動させると『下がり肩』になる欠点が解消されてています。
おしまい
工作が終わり、『やっとここまで来た』という感じです。(笑)
このキットを作るにあたって、改造や改修は最低限にするつもりだったのですが、気が付けば全身に渡ってかなり手を入れてしまいましたね。
基本的なディテールアップばかりではあるのですが…それでも作業量としてはかなりのものになっています。
改めて水性ホビーカラーのビンと比較してみると、この小ささですから。
小スケールキット故の難しさというものも実感しましたね。
管理人の技量的に、現状これが精一杯という感じです。
キットとしては素組みレビューなどでも触れた通り、体型やディテール等を含め、素性の良いモノであることは確か。
大きな形状変更は一切せず、ディテールアップと一部関節の改修だけでここまでカッコ良い光武の立体物が手に入るのは、これはキットそのものの造形の良さがあってのものですからね。
あとは、塗装で色が入ればまた良い雰囲気になりそうです。
エアブラシ環境のない管理人は常に筆塗りですが、この小ささでは例え基本色を吹き付けで済ませたとしても、かなりの部分を筆で塗り分けていかなければならないでしょう。
筆塗りモデラーは細部まで丁寧に塗り分けて仕上げていきたいところですね…!
と、言うことで…次回からは塗装編です。
(引き続き、塗装編は作業が完了し次第の更新となります)m(__)m
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