海洋堂 1/35 三式光武 工作編4.「ディテールアップ工作~凹モールドの彫り込み」

海洋堂 1/35 三式光武 制作記
ランナー紹介・素組みレビュー
工作編1.「仮組みまでに気を付けたいポイント」
工作編2.「押さえておきたい基礎工作~極小パーティングラインの削り込みと便利なお助け工具たち」
工作編3.「ディテールアップ工作~スジ彫りの彫り直し」
工作編4.「ディテールアップ工作~凹モールドの彫り込み」
工作編5.「ディテールアップ工作~歪んだ凸ディテールの作り直し」
工作編6.「ディテールアップ工作~太刀と持ち手の修正」
工作編7.「ディテールアップ工作~ヒートペンを活用したリベット再生法」
工作編8.「可動改造工作~関節軸をアルミ線接続に変更する」
工作編9.「工作編まとめ~ディテールアップと改造・改修箇所の振り返り」

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前回のスジ彫りに引き続き、今回も引き算の工作…凹モールドの彫り込みです。
成型の都合で歪んだ部分を中心に、形状を修正しながら深く彫り込んでいきます。

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幅0.5mm以下の極小ノミが必要

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まずは彫り込みの対象となる凹モールドを確認しておきましょう。
写真は胴体正面、光武の顔になる部分のパーツですが、こめかみのあたりに小さなスリットが入っています。
この他、腰回りや脚部の装甲などにも同様のスリットがありますが、溝の幅はどれも同じくらい。
大体0.3mmか、それより少し太いくらいでしょうか。

彫り込み加工をしていくためには、当然この幅に対応したノミ等の工具が必要。
極小サイズのノミとしてはスジ彫り用工具の流用なども考えられますが、意外と使えるものは限られていたりもしますね。
今回使うのは雲母堂本舗の『カッターノミ』です。

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雲母堂本舗『カッターノミ』。
アートナイフ替え刃の後端を研いだような形状の極細ノミです。
刃幅は0.3mm・0.4mm・0.5mm・0.6mmの4種類をラインナップ。
多くのスジ彫り用の工具とは違い、刃先を押す方向にも切り込むことが可能で文字通りノミとしての使用ができること、流行りのタガネ等に代表される超硬合金系の工具よりも破損のリスクが少ないこと、また安価なのもメリットですね。
知名度が今一つで入手経路が限られるのはご愛敬。

販売は替え刃のみの単品で、刃をデザインナイフ規格のホルダーにセットすることで使用します。
(※アートナイフとは替え刃の規格が違うので注意…)

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(参考リンク)
ヨドバシ.com – 雲母堂本舗 プレシジョン・ツール カッターノミ 0.3-0.4セット [カッターナイフ] 通販【全品無料配達】
ヨドバシ.com – 雲母堂本舗 プレシジョン・ツール カッターノミ 0.5-0.6セット [カッターナイフ] 通販【全品無料配達】
【公式通販】雲母堂本舗 極細彫刻刀 カッターノミ 0.3mm~0.4mm セット きらら堂本舗 平ノミ 平刀 彫刻刀 刃 | メーカーで探す,雲母堂本舗(きらら堂),カッターノミ | ゴッドハンド直販サイト本店
【公式通販】雲母堂本舗 極細彫刻刀 カッターノミ0.5mm~0.6mmセット きらら堂本舗 刃 ノミ デザインナイフ | 工具の種類で探す,彫刻刀,平刀 | ゴッドハンド直販サイト本店

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スリット状 凹モールドの彫り込み

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実際の彫り込み作業ははスジ彫りの彫り直しとも似ている部分が多いです。
管理人の場合、まず後から彫り込む工具の刃先がブレないように、先にニードルでアタリを付けておきます。

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アタリのニードル傷でモールドをハッキリさせてから、工具を変えて彫り込み。
使っているのはカッターノミの0.3mm幅。
少し細めの幅である程度まで彫り込んでから0.4mm幅に刃先を交換し、彫り幅を元のスリットの幅まで拡張します。

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彫り上がり。
色の付いた部分は、黒い流し込み接着剤を流したものです。
色が入ることで形状が見やすくもなり、また流し込み接着剤の効果で彫り込み時の傷が多少滑らかにもなりますね。

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今度は別のパーツ。
まずニードルでアタリを付けるのは先程と同じですが…

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より慎重に彫りを進めていくなら、本彫り込み用の工具に持ち変える前にもう1ステップ。
ここでは三角刀の刃先でニードルの傷をなぞることでよりアタリをハッキリさせています。
使用しているのはハセガワトライツールの『モデリングチゼル3 三角 細(TT6)』。

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ここでようやくカッターノミに交換して本彫り込み。
この3ステップで彫り進める方法はアタリがしっかりとついている分、刃先もブレにくいので安心感が高いです。

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彫り終わり。
スリット部分に着色をしていないのでこの写真では形状がやや分かりにくいですね…

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ここでは簡単に、水性ペンで簡易的に仮のスミ入れをしてみました。
ラインのブレもごく僅かで、深さもこれなら充分でしょう。
この調子で他のパーツも彫り進めていきます。

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今度は腰の後ろにつくパーツ。
ガンプラで言うところのリア・スカートアーマーですね。
画像はパーツ上に元からあったスリットを彫り終えた状態ですが、よく見るとこのパーツ…左下のスリットが不自然に一つ足りていません。

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キットのインストに背面の設定画がありました。
ここで確認すると、やはりこの部分のスリットも2つ組になっているのが正解のようですね。
このキットでは何故ここだけ省略されているのか…謎です。

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設定の裏付けが取れたので、足りないスリットは彫り足しておくことにしました。
まずは既にモールド付けされている他のスリットの大きさを測りましょう。
ノギスで計測すると、ここは長さ1.5mmです。
…ええと、念のために書いておくとスリットの『幅』ではなく『長辺』が長さ1.5mmです。
これはかなりの細かさですね。

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彫り込みのガイドにするため、マスキングテープを1.5×0.5[mm]の大きさにカットします。
とはいえ、細か過ぎるので大きさは割とアバウトだったりもします…

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マスキングテープの小片を彫り込みのガイドとして狙う位置に貼り付けます。
完成形をイメージして位置を調節しておきましょう。

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位置調整ができたら、やはりここでもアタリ付けから始めます。
まずはテープの両端を狙ってニードルで印を付けます。

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次はアートナイフ。
ニードルで付けた2つの印を目安にナイフの刃先を押し付けて直線のアタリを付けます。
2つの印(傷)を繋ぐようなイメージでナイフの刃先を置くと良いでしょう。

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今度は三角刀。
先程の例と同じ要領ですね。
ナイフ傷のアタリを刃先でなぞる様にしてハッキリとさせていきます。
力加減は、もちろん『撫でる』ような感触で行っていますよ。

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ある程度アタリがハッキリとしてきたら、工具をホーリー0.1mmに変えてラインをスジ彫りにしていきます。
今回はこのスジ彫りもアタリの一種なので、ここではそれ程深く彫らなくても大丈夫です。

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彫り始めた部分が0.1mmのスジ彫りになった状態。
(形状を見やすいように水性ペンでスジをなぞっています。)
ここから更に幅を広げて彫り込み、目的の形にしていきましょう。

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工具を変えながらスジに沿って幅を広げつつ彫り進めます。
ここで使っているのは雲母堂本舗のライナーチズル0.2mm。
今回メインで起用しているカッターノミの姉妹品…のようなもの。
こちらはノミというよりもスジ彫り用の工具というカテゴライズです。
刃幅が0.1から0.2mm程度の工具は大体そんな感じのものが多いですよね。

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更にカッターノミの0.3mmで彫り込んでスリットの幅を広げます。
次も同様に、工具の刃幅を少しずつ広げながら目的の形状まで彫り進めていけば良いですね。
今回はこの後、同じくカッターノミを使用して0.4mm、0.5mmと進めていきました。

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0.5mm幅まで彫り進めた段階では、同じくスピンブレードの0.5mmを使用してスリット内のカンナがけも行いました。
スピンブレードは刃幅が0.4mm以下のものも存在しますが、それらはメーカー試作品扱いの商品で、管理人は未所持なのです。
0.5mmまでスリットの幅が広がってくれば、工具も色々と融通が利くようになりますね。

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仕上げに三角刀の刃先を使って溝のエッジを整え、スリットの形状を微修正。
スリットの幅が0.5mm程度あれば、このような加工も行いやすくなってきます。

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最後に、彫り込んだスリット周りの余計な傷を瓶サフ(Mr.サーフェイサー1000)の爪楊枝チョン付けで修正。
乾燥後に軽くペーパーがけしてやれば完成です。

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ペーパーがけ後。
元からあったスリットと比べても違和感なく仕上がったでしょうか?

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彫り足した部分が見えやすい角度でもう一枚。

…この写真、見れば分かりますが後の工程でリベットの打ち直しまでが終わった後のものです。
この角度の写真を撮り忘れてしまったので…ここはこの画像で代用させて下さい。

こうしてアップで見ると少し線がブレている気もしますが…サイズが小さいので、肉眼でこれ以上の精度を出すのは少々キツイです。
このサイズで更なる精密さを求めるなら、手元をルーペで拡大しながらの作業をする必要があるでしょうね。
今回はこれで完成…!とします。

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丸形状 凹モールドの彫り込み

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他の部分も見ていきます。
こちらは腰の正面装甲(所謂フロント・スカートアーマー)です。
画像中の赤い四角で示した部分に丸い凹モールドがあります…が、写真では殆ど形状が読み取れないかもしれないですね。
(右側のものには水性ペンで目印を付けていますが)
この部分、キットのモールドはそれほど浅いものとなっています。
こういう部分は『如何にもプラモデル』という空気、俗に言う『オモチャっぽさ』を感じさせる原因の一つなので、ここもディテールアップ工作の一環として彫り込みを行うことにしましょう。

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こちらの画像は彫り終わり。
ニードルでアタリを付けてから0.5mm径のドリルで浅く彫り込み、仕上げとして穴の底を同径のスピンブレードで均してあげれば良いですね。
最初のアタリさえズレずに付けることができれば、作業としてはとても簡単です。

ドリルを使う場合の定石として、穴のズレを防ぐために最初は小径のものから彫り始め、少しずつ段階を踏んで目的の径にまで穴を拡張しましょう。
今回は穴の径が小さいですが、0.3mm・0.5mm径の二段階で彫り進めていきました。

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ここで使用したドリルはゴッドハンドのドリルブレード。
画像は0.5mm径のものです。

これは通常の刃が螺旋状となったドリル刃とは異なり、文字通り剣先のような形状の刃を回転させて穴を開ける工具。
使い方は普通のドリル刃と全く同じく、ピンバイスに取り付けて使用します。

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メーカーの謳い文句としては、刃を当てる先が曲面であっても対象を捉えやすく、刃先が滑りにくいことを売りとしていますが、管理人としては極細サイズのドリルの折れにくさが気に入って使っている一品です。
0.5mm径くらいなら割と大丈夫なのですが、それ以下の極細径ドリル刃は、油断すると簡単に折れる…!
作業中に工具が折れると、気持ちも折れてしまい作業もしばらく中断してしまいます…笑

その点、このドリルブレードは使用時にも刃先に過度な負担がかかりにくいのか、いつ折れるのか…と言ったヒヤヒヤとは縁遠い…ような気がします。(管理人の主観ですが)
もちろん刃先に気を遣い、工具を労わって使っていくことは必要ですが、極細ドリルの使い勝手としては通常の螺旋状ドリル刃よりも上だと思います。

一応マイナス点も挙げておくと、深い穴を開けるような用途にはあまり向いていないこと、そしてやはりというか、単品のドリル刃としてはかなり価格が高いこと。
また需要のニッチさを考えれば致し方なしですが、0.3mm・0.5mm径といった細サイズはメーカー直販限定で少々購入の敷居が高い…といったところでしょうか。

管理人はその0.3mm・0.5mm径の二種類だけを所持。
キャラクター系ロボがメインのアニメモデラーが補助的に持つ細径ドリル刃としては中々良いものではないかと思います。

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少しドリルの話で脱線しましたが、続きの作業です。
今度は同じパーツにあった大きい方の凹モールド。

ここは元々のキットのモールドがかなり浅かったので、ペーパーがけで一旦平らに均してしまってからの彫り込みです。
作業手順は先程と同じ、ニードル・ドリル・スピンブレードの順で整形します。
ここでは最終的に0.9mm径のドリルとスピンブレードを使用しました。

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実はこの部分の凹モールド、今回は設定画にあるものよりも小さめのサイズで彫り直しています。
キットに元々入っていたモールドは設定画準拠の大きさだったのですが、パーツ形状の中でディテールのバランスを考えた時に、ここは少し不自然に思えてしまったんですよね。
設定とは少しずれてしまうのですが、ここは好みによるアレンジということで…
設定画のようなサイズで彫り込みたい場合は、ドリルの径を少しずつ大きくしながら目的の大きさに近づけていけば良いですね。
ぜひともドリル刃は0.5mmから3.0mm程度まで、0.1mm刻みで揃えておきましょう…!

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そして丸底凹モールドの彫り込みとしては、あと一か所。
画像は前腕のパーツですが、赤い四角で示した部分(分かりにくいので水性ペンで色を付けています)は、キットでは凸モールドになっていますが、設定画ではここも凹モールドになっているようです。

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ということで、ここも凹モールドとして彫り込み。
ここはスピンブレードの0.5mmで仕上げです。
例によって設定画から読み取れる大きさよりも小サイズで彫っています。
(ここも作業完了時の写真を撮っていなかったため、画像はリベットの打ち直しまでが終わった後のものです)
キットのモールドを完全に削り落としてから新規にモールドを追加する場合、元々のモールドが消えてしまう前に何らかの目印を付けておいた方が良いですね。
今回はキットの凸モールドの中心を狙って、ニードルで目印の穴を開けておき、後の彫り込み加工の目印になるようにしています。

丸底凹モールドの彫り直しとしては、こんなものでしょう…!

(参考リンク)
【公式通販】ドリルブレード 単品 各種 (0.3mm / 0.5mm / 1.0mm / 1.5mm / 2.0mm / 2.5mm) 直販限定 | 工具の種類で探す,ピンバイス,ビット(ドリル・刃) | ゴッドハンド直販サイト本店

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腰ダクトの彫り込み

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他に彫り込んでおきたい箇所としては、腰のダクト状モールドがあります。
このような形状のディテールアップとしては、既存のモールドを全て削り落としてからプラ板で作り直す方がシャープになる場合もありますが、今回はキットの構造を活かして削り込みで加工してみようと思います。

ついにタガネを買ってしまう管理人

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そして今回、ここでまた新しい工具の導入です。
スジボリ堂のBMCタガネ…!

各地の口コミでは絶賛を通り越し、もはや定番工具という立ち位置を獲得しているこのタガネ。
ただSNSなどでは刃先の破損報告もチラホラと聞かれるため、心配性の管理人はこれまでずっと買わずにいたのですが…
たまたま覗いた公式通販で在庫があったタイミングということもあり、好奇心にかられてついに買ってしまいました…

と、いうことで…ここでは使用感の確認も含めてタガネを使って彫っていこうと思います。

タガネはお値段1本2,000円から4,000円程度(刃幅のサイズによる)と、なかなかに高価。
少なくとも、スジ彫り用としては最初に手を出す工具ではないと思います。

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なお、今回『量産型』がラインナップされているサイズはそちらを選びました。
こちらは価格も2,000円から3,000円程度と多少お安くなっています。
まあ、その価格で安いという感覚もどうかと思いますが…

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通常タイプ(BMCタガネ)と量産型タガネの主な違いは、持ち手部分の材質・形状と重さ。
少し使ってみた感覚としては、刃先は形状・切れ味ともにどちらも同等のようです。

通常タイプは持ち手がステンレスなのに比べ、量産型はABS樹脂。
量産型の樹脂グリップは持った時に圧倒的に軽く、通常タイプのズッシリとした重量感とは一線を画しています。


どちらが使いやすいかは好みの問題ですかね…

クレオスの『Mr.バリ取り棒G』やゴッドハンドの『かまぼこヤスリ』などの、敢えて本体を重くすることでコントロール性を高めたような工具が好みの管理人としては、どちらかと言えば通常タイプのタガネの方が使いやすいかもしれません。
ただ、入手性の悪さや価格の高さを考えると、量産型でも充分…というか敢えて通常タイプを選ぶメリットはそこまでないようにも感じます。

他にも、通常タイプ用に用意されている後付けのグリップは量産型には取り付け不可、通常タイプの刃先キャップはただのビニールチューブの切れ端なのに比べ、量産型にはピッタリフィットする専用のキャップが付属するなどの違いもあります。
このあたりも含め、それぞれは一長一短というところでしょうか。

(参考リンク)
BMCタガネ – スジボリ堂
量産型BMCタガネ、スクレーパー。スジボリ(スジ彫り)工具です。ガンプラ、フィギュア、プラモデルにおすすめです。

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ダクトの彫り込みに使う工具

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実際の彫り込み作業にはタガネの他にも工具を使い分けます。
タガネはその刃先の繊細さや、材質である超硬合金が持つ破損のしやすさという弱点から考えても、工作の初手で使用するのではなく、他の工具のサポートが必須と考た方が良さそうです。
今回は広い面の彫り込みを行うノミや彫刻刀的な運用なのでスジ彫り時ほど刃にストレスはかからないと思いますが、刃先は労わるに越したことはありません。

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管理人の実際の作業手順としては、まずニードルでスリットの谷間にアタリを付けてから、1mm幅の平ノミ(ここで使ったのはゴッドハンドのビットブレード)でその谷間に向かって削り込み。

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ここで、いよいよタガネを投入です。
今回使用するのは0.075mm、0.50mm、1.20mmの3サイズ。
0.075mmでスリットの谷間をスジ彫り的に彫り込んで更に深くしてから、あとの2サイズを使って刃先のカンナがけでフィンの形を整えたり、エッジをシャープに削り込んだりして仕上げていきます。

破損が怖いので極力、力はかけずに削っていきますが…刃先形状の繊細さ、そしてその切れ味とも確かにこの性能は模型用ノミとしては極上と言えます。
軽い力でサクサクと加工を進めていくことができますね。
なるほど皆さん夢中になる訳だ…(笑)

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そして仕上げはやっぱりペーパーがけ。
細かな部分なので、細切りペーパーの3つ折りをピンセットで挟んで使用します。
番手は400番で充分でしょう。

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と、いうことで一連の加工が終わったダクトのパーツ。
右が加工後のものですね。
彫り込みによってフィンの形状もシャープになり、またフィンの間にも奥行きが感じられるようになっています。
細かな部分ですが、ここまでやっておくと最終的な見栄えは地味に変わってきますよ…!

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おしまい

前回行ったスジ彫りの彫り直しに続き、今回は凹モールドの彫り込みまでができたので、所謂『引き算』の工作…キットを削り込む加工はこれで終了です。
今回のような加工では極小サイズのノミをどう調達するか、何を選ぶかという問題がありますが、スジ彫り用の工具が充実した現在では、ここで使用したもの以外にも色々と選択肢はありそうですね。

ウワサのBMCタガネは、確かにその高価格や人気に見合うだけの超性能…!
…なのですが、その繊細過ぎる刃先を温存するためにもサポート用の工具はぜひ別に用意しておきたいところです。
超硬合金系ではない極小ノミとして、今回使用したカッターノミやライナーチズルは価格も安く、入手がしやすいのではないでしょうか。

そして破損のリスクに怯えながら使うことを考えると、総合的なタガネの使い勝手は正直『微妙』。
心配性の管理人としては、ある程度ラフに扱える工具の方が安心して一軍投入することができますね。
スジ彫り用として考えても、曲線彫りに弱いという弱点があり、汎用性には欠けます。
タガネを積極的に使っていくとしたら、ノミとしても、スジ彫り用としても、他の工具である程度までの下彫りをしておいてからが安心というところでしょう。
仕上げの段、ここぞという場面で投入し、ピンポイントでその脆さを伴った超性能を活かすというイメージでしょうか。
破損のリスクが少なく安心して扱えるスジ彫り工具としては、シモムラアレックの『ホーリー』をおすすめしておきます。

さて、次回は凸ディテールの作り直し…
ディテールアップ工作はまだまだ続きます。

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