基本工作で作るHGUCサザビー 工作編8.「やさしめディテールアップ加工・その2(ノミを使った彫り込み)」

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工作編1.「パーツの切り出しとゲートの処理」
工作編2.「スナップフィットの処理」
工作編3.「表面処理で使う工具・一覧レビュー」
工作編4.「表面処理・その1(基本的なペーパーがけ)」
工作編5.「表面処理・その2(合わせ目消し)」
工作編6.「表面処理・その3(ABS製パーツの処理、その他)」
工作編7.「やさしめディテールアップ加工・その1(簡単な削り込み)」
工作編8.「やさしめディテールアップ加工・その2(ノミを使った彫り込み)」
工作編9.「やさしめディテールアップ加工・その3(プラ材を使った改修)」
塗装編1.「塗装の準備~塗装道具を一覧で紹介」
塗装編2.「水性ホビーカラー筆塗りの基本と下地塗装」
塗装編3.「アクリジョン ベースカラー筆塗りでABSパーツの下地塗装」
塗装編4.「再度の仮組みと塗り残しチェック」
塗装編5.「水性ホビーカラー筆塗りで黒立ち上げ・2色目以降の重ね塗り」
塗装編6.「ハイライト・シャドウの描き込みとドライブラシによる筆ムラの馴染ませ」
塗装編7.「メイン以外の色を塗っていく・その1(本体の黒いパーツ・関節・バーニアの塗装)」
塗装編8.「メイン以外の色を塗っていく・その2(動力パイプ等の黄色・ビームライフル等武器類の塗装)」
塗装編9.「細部の塗装・その1(はみ出しの修正、ファンネル・バーニアの塗り足し)」
塗装編10.「細部の塗装・その2(シールド・ビームライフルの塗り足し、塗装で表現するモノアイとセンサー)」
塗装編11.「シールの扱いと筆でのタッチアップ」
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今回の製作もディテールアップ的な改修工作の続きです。
ノミを使って比較的大きく彫り込んでいくので、前回の内容より少し難しい改造加工になりますが、順を追って見ていきましょう。

「成型の都合で歪んだ部分」とは?

まずは概念的な説明から。
今回加工していくのは「成型の都合で歪んだ部分」です。
具体的にはどういうことか…次の図を見てください。

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手書きで恐縮ですが、プラモデルが成型される際のパーツと金型のイメージ図です。
基本的にはタイヤキのように、両側からパーツが成型される空間を挟み込むような形で型が作られます。
パーツの表面に凹凸がある場合でも、この図のように、型に対して垂直の方向なら問題はないのですが…

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型に対して斜め方向に凹凸のある形状はプラモデルとして再現することができません。
そこで、形状を型に合わせて変形させることでパーツの成型を可能にしている場合があります。
出来上がったパーツは本来再現したいデザインとは形状が異なってしまいますが、総合的なパーツ数を抑えられる設計のため、このパターンで歪んだパーツは価格の安いHG系のキットなどでよく見ることができますね。

今回の製作ではセオリー的なディテールアップとして、この「歪み」をなるべく自然に見えるように修正・改修していこうと思います。

形状が歪んだパーツの例

さて、今回製作しているHGUCサザビーでも歪んだ形状のパーツをちらほら見ることができます。
例としていくつか見てみましょう。

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まずは腰部前面の下部、小型バーニアの噴射ノズルです。
上側は問題ありませんが、下側は斜めに引っ張られたような形状になっています。
写真でも、上のノズルとは明らかに形が違うのが分かるでしょうか。

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こちらはフロント・スカートアーマーを下側から見たところ。
四角いノズルが見えますが、上方向に向かって歪んだような形状になっていますね。

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続いてふくらはぎの装甲にある凸ディテール。
曲面に凸が配置された形状となっているため、それぞれの凸部分ごとに歪みがあったり、高さが低くなっていたりします。
特に上の写真の矢印で示した部分は、他のものより凸が潰れたように成型されているので不自然に見えます。

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胸部左右の装甲、下側部分。
凹凸が浅くなっている部分としては、こちらも同様です。
矢印部分にある横長のスリットはかなり浅い造形で、スリットの両端は斜めに歪んでいるのも分かります。

歪んだ凹モールドの彫り込み

ここからは実際の加工の様子を見ていきます。
まずは凹モールドの彫り込み…胸部下面のスリットから。

浅く、歪みもあるスリットの彫り込み


横長のスリットの形を整えながら、もう少し深くなるように彫り込んでみようと思います。

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まずはスリット端の形状を作ってしまいます。
位置がずれないよう、最初にニードルで下穴を開けてガイドにします。

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ニードルで開けた下穴をガイドにして、ピンバイスに取り付けた球形ビットで丸穴を彫ります。
球形ビットは各サイズごとに揃えておくと、こんな工作にも便利に使えますね。

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反対側にも球形ビットで丸穴を彫ったら、あとは二つの丸穴を繋ぐようにノミで彫っていきます。
今回ノミとして使用したのはクレオスのラインチゼルとゴッドハンドのスピンブレード。
ラインチゼルはスジ彫り用工具として発売されているものですが、太めのサイズも持っておくとこのような場面でノミとして使うことができます。
スピンブレードも細部の加工用として、できれば0.5mmから0.9mmまでの各サイズを揃えて持っておくと便利ですね。

残りのスリットについても、この繰り返しで彫り込みをしていきます。
上の写真ではまだ仕上がりが荒いですが、形状が仕上がったら小さく切ったペーパーの角やつまようじヤスリなどで切削箇所を整えておくようにします。
細かな毛羽立ちについては、流し込み接着剤を塗ることで表面を落ち着かせる方法もありますね。

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加工後のパーツ。
加工前よりもスリットが深く、形も整ったのが分かると思います。
このような部分のディテールアップとしては、スリット部分を貫通させた上で裏から薄手のプラ板やメッシュシート等を貼る方法もありますが、彫り込みだけでも一味違った見た目にすることはできますよ。

(参考リンク)
【公式通販】ゴッドハンド スピンブレード 単品 0.5~0.9mm 各種 1mm未満 直販限定 彫刻刀 刃 | すべての商品 | ゴッドハンド公式 模型ツール専門店

歪んだノズルの形状修正

続いて、歪んだノズルも彫り込みでそれらしく見えるように修正してみます。
腰部前面とフロント・スカートアーマーに付いている四角いノズル部分の加工をそれぞれ見ていきます。

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また手書きですが、腰部前面の下側ノズルの断面図イメージです。
凹んだ部分が本来の形状に対して斜めになっているので、ここを削ります。
図で赤くなっているところがノミで削り取る部分。
中央部のノズル内側部分の凹みは、後でピンバイスのドリルを入れれば簡単に修正できるので、まずはノズルの外側から攻めていくことにします。

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下側のノズル、四角い枠の内側をある程度まで彫り込んだ状態。
中央のノズルは円形なので、外形が歪(いびつ)にならないよう、円をイメージしながら慎重に削ります。
四角い枠の内側、この写真で上側の部分をやや彫り過ぎてしまいましたが、これは後で修正することにしましょう。

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円形ノズルの内側はドリルで穴を深くすると同時に角度も修正。
穴を開けたい方向に対してドリルが垂直になるように当てています。

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円形ノズル、穴の内側を修正できました。
このノズルは円柱部分の上面も斜めになっているので、ここから更に削ります。

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ここではスピンブレードの2.5mmが丁度良い幅だったので、平ノミとして用いて円形ノズル上面の形状を削って整えています。
スピンブレードも数多く揃えると結構な出費になってしまいますが、任意のサイズで平ノミを使い分けられるというのはやはり便利です。
とりあえず最初に買うなら1.0mmから3.0mmまで、0.5mm刻みの5本がセットになった基本セットと、極小サイズとして0.5mmあたりがあると良いでしょうか。
(欲を言えば、極小サイズは0.5mmから0.9mmまでの0.1mm刻みで、5本が揃っているとなお良いです。)

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刃物類での加工が粗方終わったら、ペーパーをかけて仕上げます。
写真は細かく折りたたんだペーパーの角を差し込んで削っているところ。
ここでは横着して手で直接持っていますが、ペーパーはピンセットで保持した方がより確実なコントロールができますね。
ペーパーの番手は、ここでもやっぱり400番です。

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続いて、削り過ぎた部分の修正…ということで、以前の記事でも使用した瞬間接着剤とベーキングパウダーです。
中粘度の瞬間接着剤(ここで使用しているのはタミヤのイージーサンディング)に増粘剤としてベーキングパウダーを添加したものをパテとして使用します。
写真はノズルの凹みの上側に盛り付けたところ。
後で削るのが前提とはいえ、なるべく削る量が少なくなるように…盛り付けはできるだけ少量で済むようにします。

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瞬間接着剤で補填した部分を削り込んで形状を整えたところ。
この手の削り込み加工に失敗は付き物なので、失敗を修正するための方法を知っておくといざという時も安心できますね。
とはいえ、先ずは失敗しないように慎重に彫っていくことが大切ですが…

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彫り込みが終わったら、最後にもう一手間。
前回の記事で紹介した方法と同様に、中央の丸ノズルをシャープに加工しています。
丸ノズルのフチはピンバイスに取り付けた球形ビットで削り込み、中央はドリルで貫通させています。
上側のノズルも同様に加工して、この部分は終了です。

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加工前後の比較です。
加工前のノズルは「いかにもプラモデル」という感じですが、加工後はより自然に周囲の形状に馴染んで見えるようになりました。
手間の割に地味な工作ですが、塗装までして完成させた時にこういう部分の一つ一つが効いてきて、作品はより見応えのあるものになっていきますよ。
ある程度の工具類への投資は必要ですが、順を追ってじっくり作業をしていけば決して難しい加工ではない…と思います。

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同様にフロントのスカートアーマー下部に付いている四角ノズル、こちらは左が加工後のパーツです。
先ほどの例と同様、斜めに成型された部分を修正するように彫り込みました。
切削した部分のキワはノミで切り込んでいますが、このような形状は凹み部分をなぞるように太めのラインチゼルで彫っていくのが簡単です。
四角ノズル内側の横長スリット部分で、幅0.5mmのラインチゼルが丁度良い感じですね。
0.1mm、0.3mmなど、加工する部分によってラインチゼルの刃先を使い分けていきます。
先ほどのノズル以上に細かい作業になるので時間がかかりますが、焦らずに加工していきましょう。

今回使用した工具の紹介

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最後に、今回使用した工具をダイジェスト的に紹介しようと思います。
ノミは彫り込みたい部分の幅に合わせて丁度よい刃幅のものがあると作業がしやすいので、同じ形状の工具でも必然的に複数本を持つことになりますね。
ラインチゼルやスピンブレードなどは各サイズの刃先を思い切って「大人買い」しても、今回のようなディテールアップ工作をする人にとっては充分価値のある買い物になると思いますよ。

[ハセガワトライツール] モデリング スクライバー (模型用けがき針)

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模型用工具の定番、ハセガワトライツールから発売されているニードルです。
金属の無垢で持ち手から針先まで一体成型されていて、非常に安定感のある作業ができます。
模型用のニードルは針先が交換式の工具や、文房具を流用したアイデアなども古くから紹介されてきたりと選択肢も多いですが、管理人としてはやはり定番のコレがおすすめ。
長く販売されているものには売れるだけの理由がある…と思います。
今回は球形ビットでくぼみを彫る前のアタリ付けに使用。

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[ハセガワトライツール] モデリング チゼル1 (模型用 ノミ 平細)

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同じくトライツールから発売の平ノミ、刃幅は1.0mmです。
今回の彫り込みは極小さな部分が対象だったので、後に紹介するスピンブレードと並んで工作のメインはこの工具でした。
これでも刃先が入らない場所には、スピンブレードの0.5mmなど、更に刃先が細かな工具を使っていくことになります。
持ちやすい長めのグリップ、取り回しの良い軽い本体、固定式の刃先ならではの安定感と三拍子そろった優良工具。
同サイズのスピンブレードを持っていたとしても、これはこれで持っていたい工具です。

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[ハセガワトライツール] モデリング チゼル4 (模型用 ノミ 幅3mm平)

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こちらもトライツールの平ノミ、刃幅は3mmのタイプ。
今回は刃先のサイズ的にあまり出番はありませんでしたが、刃先が入る場所ならこれも使いやすい工具です。
適材適所で使い分けましょう。
「モデリングチゼル」シリーズは基本的に同じような作りなので、これも工具としての質は高いです。

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[ハセガワトライツール] モデリング チゼル2 (模型用 ノミ 丸細)

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丸棒を斜めにカットしたような、竹やり的な形状をしたノミ。
ゆるいカーブを描いた底面の溝が彫れます。
今回は胸部下側にある横長スリットの彫り込みで、補助的に使用しました。

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[ハセガワトライツール] モデリング チゼル3 (模型用 ノミ 三角細)

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四角柱の棒を斜めにカットした形状のノミ。
名称の「三角細」は、先端が三角という意味かと思われます。
彫り込んだ凹モールドの内側をシャープに整えるのに使用しました。
逆エッジの削り込みなどで、一本あると痒い所に手が届く工具です。
このシリーズの工具で、平ノミの次に何かを買うならコレがおすすめ。

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[ゴッドハンド] スピンブレード

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上が0.5mm、下が2.5mm幅の刃先をそれぞれ取り付けたところ。
刃幅を0.1mm刻みで選べる模型用の平ノミは現状これだけです。
「ナンバーワン」ではなく「オンリーワン」という、非常にゴッドハンドらしい製品。

刃先が交換式の平ノミ。(兼、丸モールドを彫る工具)
刃幅の選択肢が非常に充実していて、最小は0.5mmから最大は4.5mmと豊富なラインナップから選ぶことができます。
特に0.5mmから0.9mmまでの極小サイズが「平ノミとして」手に入るのは貴重で、他に1.0mm以下の切削工具を探そうと思うと、ほぼスジ彫り用ツールになってしまいます。
ディテールアップ工作に挑戦するなら0.5mm等のサイズは是非とも入手したいところ。
今回の記事で紹介した工作では、刃先が入る箇所にはトライツールの1.0mm幅の平ノミを、さらに狭い箇所にはスピンブレードの0.5mmを使って彫り込みをしていきました。
その他、補助的に0.6mmと0.7mm、それに大き目サイズの2.5mmも使用しています。
なお、刃先を装着するホルダーとしてはウェーブの「HGマルチハンドル細」がおすすめです。
ピンバイスでは重く扱いづらいのですが、このホルダーに装着して使うと一気に取り回しがしやすくなりますよ。
(管理人は2本購入しました。)

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左が0.5mm、右が2.5mm幅の刃先。

(参考リンク)
【公式通販】ゴッドハンド スピンブレード 単品 0.5~0.9mm 各種 1mm未満 直販限定 彫刻刀 刃 | すべての商品 | ゴッドハンド公式 模型ツール専門店

[GSIクレオス] Mr.ラインチゼル

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この写真では0.5mm幅の刃先を装着しています。

GSIクレオスからの発売で入手しやすいスジ彫り用工具です。
普通の平ノミが刃先を押して対象を削り取るのに対し、こちらは手前側に引くことで刃幅に合わせた溝を彫ることができます。
原理としては「Pカッター」と同じですね。
今回のようなディテールアップ工作においては、同サイズの平ノミと併用して細かな彫り込みを行っていきます。
0.5mm幅の刃先などはスジ彫り用としてはかなり太めにも思えますが、「引いて使うノミ」として考えると使える場面はかなりありますよ。
これも各サイズを揃えて持っておきたい工具です。

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[ブッシュ] スチールバー ブッシュ No1

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写真は0.7mmサイズのビットを取り付けたところ。
小さくて分かりづらいですが、先端に球形のカッターがついています。

当ブログで再三「球形ビット」と呼んでいる工具がこれです。
回転させることで球形の窪みを彫ることができるというものですね。
本来はモーターツール(電動工具)に取り付けるためのものですが、ピンバイスに取り付けて使うことでより繊細な加工に使うことができます。
管理人は「スジボリ堂」の通信販売で扱っている、ドイツ「ブッシュ」社製のスチールバーを使っています。
先端の形状によっていくつもの製品がありますが、「No1」が先端が球形になっているものですね。
各サイズが揃っていてはじめて効果的に工作を行えるものなので、導入するなら複数本の大人買いで。
使用頻度が高いと思われる0.3mmから4.0mmまでの9本をまとめて買っても1,636円(税込、送料別)です。(※記事執筆時)

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こちらも0.7mmサイズのビット。
先端が球形になっているのが分かるでしょうか?

(参考リンク)
スジボリ堂「ブッシュのスチールバー カーモデル、ガンプラ、フィギュアに使用できます。」のページ

[ゴッドハンド] ドリルビット

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タミヤのピンバイスに取り付けたところ。
製品としては、もちろん「ドリル部分だけ」ですよ。念のため…

ピンバイスに取り付けるドリルです。
…って、それ自体は普通ですが、この製品はピンバイスのチャックに取り付ける部分の径が各ドリルで共通のものに統一されていて「ドリルを違うサイズに交換する時、ピンバイスのコレットを交換しなくても良い」…というものです。
一見地味ですがこれが非常に便利で、これに慣れるともう普通のドリルは面倒で使えなくなってしまいます。
管理人はこのシリーズで0.5mmから3.0mmまで、0.1mm刻みの全種類を買い揃えました。
ピンバイスのドリルも、使い始めは0.5mm刻みの基本セットで充分に感じるのですが、少し工作に慣れてくると0.1mm刻みで微妙なサイズ違いのドリルが使いたくなってきます。
このドリルで各サイズを揃えるようにすれば、「このコレットは○mmから〇mmまで対応で…」などと覚える必要もなく、作業がスムーズになりますよ。

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ピンバイスに取り付ける部分が太くなっているのが分るでしょうか?
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管理人所有のドリルコレクション(笑)
0.1mm刻みで各サイズを揃えておくと、微妙な加減の工作にも融通が利くようになりますよ。
今回の工作でも1.1mmのドリルを使っています。

[タミヤ] イージーサンディング

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中粘度の瞬間接着剤ですが、削り過ぎた部分の修正に使う充填剤、パテとして使用します。
となりにあるビン入りの白い粉はベーキングパウダーです。
瞬間接着剤にベーキングパウダー(など粉状のもの)を混ぜて、粘度を高めてから盛り付けるという古典的テクニックですね。
開封後の瞬間接着剤は、チューブの中で固まって使えなくなってしまうことが心配ですが、写真のように乾燥剤と一緒にジップロックの袋に入れて保管すると長持ちさせることができます。
実際の盛り付けや削りでは、瞬間接着剤の種類によって使用感がかなり異なるようですが、管理人はこの「イージーサンディング」が気に入って使っています。
ベーキングパウダーとの混ぜ合わせでも、強度・切削性ともに丁度よく、特に問題なく使うことができますね。

[GSIクレオス] Mr.グルー・アプリケーター

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「接着剤やパテ等がくっつきづらいヘラ」です。
瞬間接着剤をベーキングパウダーと混ぜ合わせたり、盛り付けたりするのに使用。
便利なのですが、繰り返し使用していると写真のようにヘラの先端がほころんできます。
硬化した接着剤がキレイにペリっと剥がれてくれない時があって、ナイフ等でこそぎ落とそうとするとだんだん先端が痛んでくるんですよね…
完璧な製品ではないですが、便利なことは確かなので管理人が瞬間接着剤を扱うときには、いつもこれを使います。
写真にはないですが、塗料皿のような形状をした同素材の小さなお皿も付属します。
(管理人はガムテープの上で接着剤を混ぜてその都度使い捨てにしているので、お皿は使っていません…)

耐水ペーパー 400番

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ホームセンターで入手できる、普通の耐水性紙やすり。
ノミ等で彫り込んだ箇所はやはり表面が荒れてしまうので、細かくペーパーを当ててやることで形状が落ち着きます。
ディテールアップの仕上げとしてのペーパーがけは、普通の表面処理と違ってごく細かな箇所にペーパーを当てる必要があるので、切り取ったペーパーのフチを差し込んだり、細かく折りたたんだペーパー片をピンセットでつまんで使ったり…といった工夫も必要になってきます。
ごく細かな個所のペーパーがけでは、表面の状態が確認しづらくなるのと水滴が作業の邪魔になることがあるので、水は付けずに「空研ぎ」で使った方が良いでしょう。
ペーパーの番手は、ここでもやっぱり400番を使います。

(参考リンク)
【公式通販】ゴッドハンド ニッパー型ピンセット 刃がないニッパー 日本製 | ゴッドハンドオリジナル,ピンセット | ゴッドハンド公式 模型ツール専門店

おしまい

以上、ディテールアップ工作の2回目でした。
前回の記事で紹介した加工に比べてやや難しい内容もあったかもしれませんが、改造加工の基本として、素組みから一歩踏み出して手を入れる箇所としてはセオリー的なものです。
ガンプラを塗装までして仕上げるモデラーなら、ほとんどの人が行うであろう表面処理と違って、ディテールアップ加工は製作者の好みや考え方によって「やる・やらない」、またやるとしても「どこをやるか・どうやるか」といったところが大きく分かれますから、プラモデルを「自分だけの作品」として仕上げる上でやりがいもまた大きな部分ですね。

さて、今回の記事も思いの外長くなってしまったので一旦一区切り…次回もまたディテープアップ加工の続きとなります。

基本工作で作るHGUCサザビー
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工作編1.「パーツの切り出しとゲートの処理」
工作編2.「スナップフィットの処理」
工作編3.「表面処理で使う工具・一覧レビュー」
工作編4.「表面処理・その1(基本的なペーパーがけ)」
工作編5.「表面処理・その2(合わせ目消し)」
工作編6.「表面処理・その3(ABS製パーツの処理、その他)」
工作編7.「やさしめディテールアップ加工・その1(簡単な削り込み)」
工作編8.「やさしめディテールアップ加工・その2(ノミを使った彫り込み)」
工作編9.「やさしめディテールアップ加工・その3(プラ材を使った改修)」
塗装編1.「塗装の準備~塗装道具を一覧で紹介」
塗装編2.「水性ホビーカラー筆塗りの基本と下地塗装」
塗装編3.「アクリジョン ベースカラー筆塗りでABSパーツの下地塗装」
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