基本工作で作るHGUCサザビー 工作編1.「パーツの切り出しとゲートの処理」

基本工作で作るHGUCサザビー
ランナー紹介
素組みレビュー
工作編1.「パーツの切り出しとゲートの処理」
工作編2.「スナップフィットの処理」
工作編3.「表面処理で使う工具・一覧レビュー」
工作編4.「表面処理・その1(基本的なペーパーがけ)」
工作編5.「表面処理・その2(合わせ目消し)」
工作編6.「表面処理・その3(ABS製パーツの処理、その他)」
工作編7.「やさしめディテールアップ加工・その1(簡単な削り込み)」
工作編8.「やさしめディテールアップ加工・その2(ノミを使った彫り込み)」
工作編9.「やさしめディテールアップ加工・その3(プラ材を使った改修)」
塗装編1.「塗装の準備~塗装道具を一覧で紹介」
塗装編2.「水性ホビーカラー筆塗りの基本と下地塗装」
塗装編3.「アクリジョン ベースカラー筆塗りでABSパーツの下地塗装」
塗装編4.「再度の仮組みと塗り残しチェック」
塗装編5.「水性ホビーカラー筆塗りで黒立ち上げ・2色目以降の重ね塗り」
塗装編6.「ハイライト・シャドウの描き込みとドライブラシによる筆ムラの馴染ませ」
塗装編7.「メイン以外の色を塗っていく・その1(本体の黒いパーツ・関節・バーニアの塗装)」
塗装編8.「メイン以外の色を塗っていく・その2(動力パイプ等の黄色・ビームライフル等武器類の塗装)」
塗装編9.「細部の塗装・その1(はみ出しの修正、ファンネル・バーニアの塗り足し)」
塗装編10.「細部の塗装・その2(シールド・ビームライフルの塗り足し、塗装で表現するモノアイとセンサー)」
塗装編11.「シールの扱いと筆でのタッチアップ」
完成品ギャラリー

今回からHGUCサザビーの製作に入っていきます。
まずはパーツの切り出しとゲートの処理から・・・

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設定全高が25.6mと大型の機体なので1/144でもボリュームがありますが、細かすぎないパーツ分割で組み立てはスムーズに進められると思います。
このキットの特徴として、合わせ目消しが必要無い!ということがあります…!(ライフルは除く)
仮組みの時にはゲートの処理とスナップフィットの緩め加工だけをしておけば、後は表面処理としてヒケやパーティングラインを消してすぐ塗装に入れますね。
後ハメ加工をしなくて良いので、工作ではかなり楽ができそうです。

パーツの切り出し

まずはランナーからパーツを切り出していきます。
今回は抜群の切れ味で作業の手間を節約できるアルティメットニッパーを使いますが、刃先に負担をかけないように耐久力の高いニッパーも併用します。

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まず使用したのはハセガワトライツールのエッチングニッパー。
本来はエッチングパーツ(薄い金属板のパーツ)の切り取り用なので、高い耐久力を活かしてランナー部分でのカットでも非常に安心感があるニッパーです。
もちろん、このニッパーのままゲート付近を切り取ることもできます。
名前こそ「エッチングニッパー」ですが、普通のプラモ用ニッパーと同様に刃先は片側が平らになっているので、高耐久のプラモ用ニッパーとして使っていくことができますよ。

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パーツ切り出しの第一段階。
ゲートのかなり手前、ランナー部分でカットしています。

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つづいて、今回はゴッドハンドのアルティメットニッパーを使用しました。
繊細な刃先で、ゲートにギリギリまで近づいて切っても比較的キレイに仕上げることができます。
仕上がりとしてはアートナイフでゲートを削ぐ方法のイメージに近いかもしれませんが、ニッパーを持ち替えて普通にカットするだけなのでナイフ系ツールに比べて作業の効率が良いですね。

もちろん、無理にこんな高い工具を使わなくてもアートナイフでゲート跡を削ぐようにすれば同じことですよ。
アートナイフを使う場合は、ゲートをもう少し切り詰めてからナイフでのそぎ落とし作業に移った方がゲートに負担がかからずキレイなカットができると思います。

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アルティメットニッパーは二枚の刃が「刃とまな板」で構成されているので、パーツ面に刃を添わせて切ることで「まな板」部分の厚みを利用してゲートをほんの少し残した状態でカットすることができます。
アルティメットニッパーは、この状態でのカットが簡単にできるので時短ツールとして優れていますね。
アートナイフでゲート処理をする場合も、ゲート跡はこれくらい残してカットしておき、最後はヤスリがけで処理するようにします。
手間は少しかかりますが、ナイフの場合でもやっていることは同じです。

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管理人の場合、ゲート跡は仮組みの段階でヤスリまでかけて面一(ツライチ)にしておきます。
今回使用したのはゴッドハンドのかまぼこヤスリです。
単目で目の細かいヤスリなら何でも良いかとは思いますが、かまぼこヤスリは競合製品よりも「重さ」があり、力加減のコントロールがしやすいので気に入っています。

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鉄ヤスリ共通の基本事項として、「押す方向」だけで削ります。
ヤスリも刃物なので刃の向きがあり、削れる方向が決まっていますよ。
力むと削れ過ぎて修正が大変なので最初はごくごく軽く…撫でるようにヤスリを当てます。
削れ具合を見ながら極微量ずつ込める力を増やしましょう。
「力を入れない」ことが鉄ヤスリを上手く扱うコツかと思います。

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矢印の位置がゲートのあった場所です。
写真では少し跡が残っているように見えますが、形状的には完全に平らになっています。
ヤスリがけでついたキズは表面処理の時に#400のペーパーで磨くので、仮組みの段階ではここまででゲート処理は終了です。

(参考リンク)
【公式通販】ゴッドハンド かまぼこヤスリ 8mm 単目 細目 中目 直販限定 平ヤスリ 金属ヤスリ 模型用 | 工具・作業ツール,金属ヤスリ,平 | ゴッドハンド公式 模型ツール専門店

※Amazonのリンクは5mm幅のタイプ。
かまぼこヤスリは8mm幅の方が自重を活かして削ることができるので扱いやすいと思います。

注意が必要なゲート

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上の画像はフロントのスカートアーマーのパーツです。
ゲートがC面(パーツの際にある面取り部分)に付いているのでラフに作業すると簡単にパーツ形状を崩してしまいます。
慎重な作業が要求されますね・・・

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前の例と同じように、アルティメットニッパーでゲートを「ほんの少し」残して切り取ったところ。
繰り返しですが、アートナイフで処理する場合でも同じようにゲートは少し切り残します。

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単目の金属ヤスリ(この例ではかまぼこヤスリ)でヤスリがけ。
広い面にゲートが付いている他のパーツ以上に繊細な力加減のコントロールが必要です。
撫でるような力から始めて、ヤスリの背面に沿わせた右手人差し指を軸に徐々に力を込ていきます。
一度で結果を出そうとして、いきなり強く削ることは絶対にやめること!

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ゲート処理が終わったパーツ。
削る力が大きすぎると簡単にC面が崩れてしまいますが、上手くC面の幅を変えずにゲートだけを削ることができました。

このようなゲートの付き方は、他にもリアのスカートアーマーやシールド(というかBランナーの全て)といった箇所が該当します。
崩れたパーツ形状を修正するのはなかなか大変なので、慎重に慎重に・・・じっくりと作業しましょう。

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もう一点、注意するべきポイントとして曲面に付いたゲートがあります。
写真はプロペラントタンク(の一部)になるパーツ。
円柱形状が1パーツで成型されたパーツですが、局面のタンク側面にゲートがあります。
このような部分は平面のヤスリで削りすぎると、そこだけ平らになって不自然になってしまいます…

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上の画像はヤスリをかけた状態です。
ヤスリをパーツ形状に沿って回しながらかけ、元の曲面を極力崩さないようにしています。
最終的にペーパーで仕上げるつもりで、鉄ヤスリでの作業は少し削り残すくらいのつもりで止めておいた方がいいかもしれませんね。
このパーツにはゲート跡に隣接してパーティングラインも入っていますが、鉄ヤスリの作業では無理をせずにゲート跡の部分だけを狙って削るに留めています。

今回はここまで…!

パーツの切り出しとゲート処理、プラモデル制作の第一歩にあたる作業ですが、後の表面処理につながる部分なので丁寧に作業をしておきたいところです。
また鉄ヤスリは便利なのですが、今回使ったような目の細かい単目のものでもパーツ表面にはどうしても細かなキズがついてしまうので、やはり最終的にはパーツ表面は全てペーパーがけをするくらいのつもりでいた方が良いと思います。
(ちなみに管理人は#400のペーパーで終わりにして塗装に入ります)
また記事中でも触れましたが、不必要なキズをつけないように極力力まずにヤスリを扱う感覚も重要ですね…

さて、次回はスナップフィットの非スナップ化…一度組み立てたガンプラを作業しやすいよう、またバラせるようにハメ合わせのピンを加工する作業です。

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