海洋堂 1/35 三式光武「ランナー紹介・素組みレビュー」

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PlayStation4用ゲームソフト「新サクラ大戦」より、海洋堂の1/35 三式光武です。
サクラ大戦の関連プラモデルは過去にはWAVEから、また新サクラ大戦のマルチメディア展開の一環としてバンダイからもHGレーベルで発売されたものがあります。
そして海洋堂からは1/35と小スケールながらも三式光武と無限がラインナップ。
特に三式光武は現状唯一のプラキット化となっており、貴重な貴重な立体化です。

光武といえば、管理人は過去にWAVEの1/24キットをきちんと完成させられなかった経験があるので、今回はリベンジの意味も込めて海洋堂のキットに挑戦してみることにしました。
ちなみに、管理人は「新」のゲームは未プレイです。

(旧サクラ大戦シリーズはセガサターンの初代からPS2のVまでプレイ済み…というか、特にドリームキャスト時代にはドハマりしてました笑)

今回はランナー等のキット構成と、素組みした状態を見ていこうと思います。

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こちらは外箱の側面。
見本として掲載されているのは塗装済完成品ではなく、未塗装の素組み!
このキットは単色成型、可動部はポリキャップ未使用のプラの弾力に頼った関節という、ガンプラで言えば旧キット相当の構成なので、購入前に内容を確認するのにはこの方が良いのかもしれませんね。

ランナー紹介

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キットの内容物一覧です。
ランナーが4枚と水転写式のデカール、それにインストが一冊ですね。
1/35というスケールは想像以上に小スケールで、パーツの一つ一つも細かい印象です。

各ランナーにはA・B…などという区分けは無く、1番から順番に振られたパーツ番号が全てのランナーに跨って存在しています。
またパーツ番号の順にランナーが構成されている訳ではなく、一つのランナーにバラバラの番号のパーツが存在しているので、組み立て時にパーツを探すのが少しスムーズではないかもしれませんね。
とはいえ、パーツ点数もそれ程多くなく手足や胴体は比較的大きなパーツ割りで構成されているため、制作に困るほどではありません。

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ランナーその1。(ランナー番号は便宜上のものです)
動力パイプやマフラーなど、本体に後から取り付ける細かなパーツが多いです。
装備武器の太刀は3パーツ構成となっていてディテールも細かいですね。
鞘はさすがにモナカ分割ですが、このキットで合わせ目消しが必要なのはここだけとなっています。

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ランナーその2。
手足の装甲や手首、足首などが中心です。

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ランナーその3。
ランナー全体は比較的大きめですが、パーツ自体は小さいです。
手足のパーツが中心ですが、上腕・前腕・大腿といった部分がそれぞれ1パーツで構成されているため、合わせ目が出ない設計となっています。

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ランナーその4。
こちらも比較的大きなランナー。
胴体のパーツと下腿ですが、やはり下腿は1パーツ構成で合わせ目なし。
胴体も比較的大きなパーツ割で組み立てはスムーズに進められそうです。

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水転写式のデカール。
左肩の桜マークと、胴体の白ラインを補うものですね。
キットのユーザー層を考えれば、シールではなく水転写式デカールなのは妥当だと思います。

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インストは三つ折りで2ページのみカラー印刷。
塗装参考図やデカールの貼り付け指示もありますね。

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裏面は組み立て図のみ。
胴体や手足は大まかなパーツ割が多いので、組み立て工程もそれ程長くはありません。

素組みレビュー

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パーツを一通り組み立ててみました。
基本的には接着剤不使用のキットなのですが、一部パーツの差し込み精度がやや甘く、受け側の穴を削らないと部品が入らないことがあったり、また逆に緩い部分は接着を前提で考える必要があったりと、作り手側にも現物合わせで多少の加工を求める内容となっています。

最低限、ピンバイスくらいは持っていないと仮組みすら困難と思われるため、近年のガンプラ等に代表される親切設計のキットしか組んだことのないライトなモデラーさんは、それなりの覚悟をして取り組む必要があるかもしれません。

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今回は頭頂部の小パーツ(写真右)はランナーから切り取らず、塗装後に取り付けることによって作業を行いやすくしています。
また、足裏にフタをするパーツも一度取り付けると外せなくなるため仮組み状態では付けていません。
それ以外のパーツは全て組み立てた状態ですが、一部固定が甘い箇所があるため、この写真でもマスキングテープの細切りで仮止めしているパーツがあります。

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と、先にマイナス面から入ってしまいましたが、パーツの合い自体に大きな問題はなく、造形そのものはなかなか良いと思います。
複雑な曲面で構成された光武のシルエットを良く再現できていますね。
素直にカッコ良いと思える造形です。

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太刀を抜刀!
武装の太刀は一応、手に持たせることはできますが、指は非可動なので実際には引っかけているだけです。
しっかりと持たせたい場合は接着してしまうか手首周りの改造が必要になりますね。
今回のように、一時的にそれっぽい写真を撮りたいだけならそのままでも良いかと(笑)。

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全高は7cm弱、メーカー公式では約68mmということです。
水性ホビーカラーのビンと比べると、その小ささがイメージできるでしょうか?

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小さいながらも各部のモールドは良く入っています。
凹モールドやスジ彫りがやや甘かったり、リベットの凸モールドに一部歪みがありますが、これはサイズ的に、またインジェクションキットの宿命としてある程度は仕方がない部分でしょう。
こだわり派のモデラーさんはこの辺りに少し手を入れてあげると、より良いものになりそうですね。
また合わせ目がないことと引き換えに胴体や手足のパーツ中央には目立つパーティングラインが出ているので、これは基本工作としてしっかり処理をしておきたいところ。

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こちらは肩アーマーのアップ。
本来丸形であるリベットがイチゴの種のような形状になっているのが分かるでしょうか。
金型の都合上、プラモデルでは凸モールドを再現するのにはどうしても限界があります。
光武は全身に渡ってかなりの数のリベットが打たれているので、このような歪んだモールドをどうするかは考えどころ。
リベットの修正を行うとすると制作にかかる手間と難度が跳ね上がってしまうので、完成することを優先させるなら、無理にこういう部分をいじらないのも一つの考え方だとは思います。

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足の裏はモールドの入ったパーツでフタをするようになっています。
基本的に、外から見える部分に肉抜きはありません。
基本的な表面処理をしっかりとこなしてやれば、とりあえず過不足のない仕上がりにはなりそうです。

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小スケールながら太刀は3パーツで構成。
鍔にも穴が開いていて非常に細かな造形です。
モナカ割りの鞘はこのキットで唯一の合わせ目消しが必要な部分。

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可動部の構造も見ていきましょう。
こちらは胴体前面の、光武の顔にあたる部分。
二個装備のカメラアイが左右に可動します。
パーツの表側から胴体のスリットにカメラアイを差し込んで、裏からストッパーのパーツを取り付けることで抜けないように固定します。

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カメラアイを取り付けた状態。
胴体側のスリットは向こう側が見えてしまいますが、実際にはパーツの裏側に暗色を塗っておけば違和感はないと思います。

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手足の関節の構造。
ポリキャップを使用しない、プラの弾力のみでパーツを保持する差し込み式の関節です。
ガンプラ旧キットのような挟み込み式の箇所はなく後ハメ加工の必要がないパーツ構成となっています。

とはいえこのようなプラパーツのみの関節、特にボールジョイントはパーツにかかる負荷が大きいため、破損に気を付ける必要があります。
可動は基本的に、姿勢の微調整が可能な程度と割り切り、あまり大きく動かすような動作を繰り返さない方が良いでしょう。
頻繁なパーツの付け外しも危険です。
(実際、管理人はこの写真を撮影後に左肩のアーマーを接続するボールジョイントを破損してしまいました。)

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胴体側の関節を受ける部分。
肩関節は腕側の軸を差し込んで回転方向の可動が可能な穴型の受けで、股関節はプラパーツによるボールジョイントです。
股関節のはめ込みはかなりきつめなので破損が心配ですが、逆に言えば保持力は充分過ぎるほどあります。

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腕の可動範囲。
肩と肘が軸により可動しますが、範囲はあまり大きくありません。
腕単体でも写真の角度が限界ですし、実際には胴体側のパーツと干渉するので可動は更に制限されます。
手首部分は差し込みの軸によって手首自体の回転ができるだけで指は固定となっています。
肩アーマーの接続も一応ボールジョイントですが、角度が若干微調整できるだけなので、腕を可動させるとつられて下がり肩になってしまいます。

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なお、肘関節には可動のための切り欠きがありますが、それ程違和感はありません。

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同様に、脚の可動範囲を。
脚パーツ単体では写真の状態くらいまで膝を曲げることができますが、ここもやはりというか実際は他パーツとの干渉によって可動範囲は大きく制限されます。
足首はボールジョイントですが、可動範囲はほぼゼロだと思った方が良いでしょう。

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膝関節は球体状のデザイン。
見た目は悪くありません。

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可動範囲についてはかなり厳しいものがあるため、パッケージにも採用されているキービジュアルのような、太刀を抜刀して見栄を切るポーズを再現するのは不可能なのですが、何とか近いポーズを取ってみました。
ただし、この写真では肩と腰周りの装甲を取り外し、更に肩アーマーの接続軸が胴体と干渉するために肩関節を上下反転させています。
それで何とかこれくらいのポーズ付けが可能といったところですね。

本格的に抜刀ポーズを再現するなら、肩と腰の装甲の接続方法を変更し、また下半身はアルミ線接続などで固定として関節部分は新造、さらに角度を付けて太刀を持てるように手首の指部分も改造する…といったような割と全身に渡る改造が必要になると思います。
光武はデザイン的にも可動の制約が大きいメカで、またこのキットはかなりの小スケールということもあって無理はさせられず。
ポージングは素立ちを基本として、光武の造形そのものを楽しむということを主にする方が、このキットとの付き合い方としては良いのかもしれません。

おしまい

単色成型でプラパーツによる関節と、今のガンプラの基準で考えると躊躇してしまう内容のキットかもしれませんが、基本的な造形は良いために塗装前提の素材として考えると決して出来の悪いキットという訳ではありません。
本体は合わせ目消しが要らないパーツ構成、関節も可動範囲は狭いながらも「挟み込み」式ではなく「差し込み」式のために後ハメ加工も不要と、見るべき点はあります。

最低限ゲートと、できればパーティングラインの処理くらいまでができれば、あとは部分塗装で足りない色を入れてあげるだけでもかなり雰囲気は良くなりそうですね。
今回管理人は「完成させる」ことを第一目標としながらも、基礎工作と全塗装でキットの素性の良さを引き出す作例を目指してみました。

まずは工作編から。
順番が前後しますが、最初は仮組みが完了するまでに注意したいポイントから解説していきます。

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