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HGUCサザビー、製作の2回目。
前回はパーツの切り出しとゲートの整形を行ったので、今回はスナップフィットを緩く加工しながら組み立てていきます。
スナップフィットの「非スナップ化」には幾つか方法がありますが、今回はピンバイスと球形ビットを使って受け側の穴を面取りし緩く加工しますよ。
ピンバイスでダボを加工
上の画像のパーツを例に作業過程を見ていきます。
右側のパーツが左側のパーツにハメ込まれることで固定される構造です。
パーツ形状が大きく力のかかる部分なので、固定用のダボは軸側・受け側とも太いパイプ状になっていますね。
ここでは左側の「受け側」にあたる穴を面取り加工して緩くします。
加工前後のパーツを断面図で示すとこんなイメージです。
受け側の穴の入り口を球形ビットでスリバチ状に削ります。
ピンバイスに球形ビットを装着した状態。
管理人が使っているビットはスジボリ堂の通販で買ったブッシュのスチールバーという品物です。
ピンバイス本体は20年以上前(!)に今は亡きハローマックで購入したタミヤ製のものですが、内部にゴッドハンドのディープコレットを入れて使っています。
ディープコレットはビットをよりしっかりと固定できる…というものだそうですが、今回のような軽めの加工では今ひとつ効果を実感できず…
(もっと力をかけて使うと違うのかな?)
ピンバイスを受け側の穴に合わせて回転させて削ります。
元々開いている穴を拡張するだけなので楽々削ることができます。
画像の左側、大きいパイプ状の受け穴3つをスリバチ状に削りました。
この画像くらいまで削れば適度な保持力を保ったまま後からバラすこともできる状態になります。
プレート状のピンによるダボを加工
次は画像のパーツです。
プレート状のピンが受けの穴に差し込まれることで固定される構造です。
加工前後、それぞれの画像です。
プレート上の差し込みピンを山型に加工することで差し込みを緩くしています。
ここはニッパーで適当に切り飛ばすだけで大丈夫です。
また、このパーツは画像の矢印部分がピン受けの穴にもなっています。
こちらは穴側に切り込みを入れることでハメ合わせを緩くすることにしました。
ここもニッパーで大まかに切り込んでいます。
小型のパーツにも注意
画像のパーツは赤い装甲パーツに黄色の小型バーニアをハメ込む構造ですが、小型バーニアが枠状に囲われた部分にスッポリ収まることになるので掴める部分がなく、スナップフィットの処理だけをしても後から外すことは難しくなってしまいます。
左側の加工後パーツでは、スリバチ状に加工した受け側の穴の底を更にピンバイス(ドリル)で貫通させておき、裏から小型バーニアのパーツを押し出して外せるようにしています。
裏側は完成後に見えなくなる部分なので貫通させてしまっても問題ありません。
この部分のようにただダボを加工していくだけではなく、パーツの形状を見ながら外すときのことを考えて作業を進めていく必要がありますね。
おしまい・・・!!
スナップフィットのダボ加工「非スナップ化」には、ピン側を竹ヤリ状に斜めにカットする方法や受けの穴に切り欠きを入れる方法など幾つかやり方があると思います。
今回紹介した球形ビットで受けの穴を面取り加工する方法は、適度な保持力と外しやすさを簡単に両立できるので管理人おすすめの方法です。
球形ビットはサイズごとに揃えておくと、一体成型されたバーニアのモールドを彫り込むのにも使えたりするので便利ですよ。
さて、スナップフィットの処理ができればその都度パーツを組み立てていき、仮組みまでは特に問題なく進めることができると思います。
この後は表面処理と(多少の)ディテールアップを施して塗装に入っていきます。
仮組み状態は別記事で素組みレビューとしてまとめているので、そちらも参考にしてみて下さい。
次はからは表面処理に入っていきます。
まずは使う道具の紹介から。
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